2008年 03月 02日
Play Your Own Thing |
2006年11月、ベルリン・テーゲル空港に降りた私の向かった先は映画館デルフィだった。その年のベルリン・ジャズ祭のテーマのひとつは映画で、その幕開けはジュリアン・ベネディクト監督の『Play Your Own Thing』のプレミア上映だったのだ。映画館のロビーはラッシュアワーの電車並、やっとの思いでスタッフを捕まえて荷物を預けて中へ。プレミア上映らしく赤いカーペットも敷かれていた。
『Play Your Own Thing』は、ミュージシャンへのインタビューと貴重なライブ映像をスナップショットのように繋ぎ合わしながら、ヨーロッパにおけるジャズ受容の課程と現在を伝える映画である。晩年のアルバート・マンゲルスドルフへのインタビュー、マイルス・デイヴィスの想い出を語るジュリエット・グレコ。ディジー・ガレスピーとダスコ・ゴイゴヴィッチとの共演、ジャーマン・オール・スターズ、クシシュトフ・コメダの若い日の姿、またバーデン・バーデンのニュー・ジャズ・ミーティングの貴重な映像も少し。最近のライブ映像では、ルイ・スクラヴィスの印象的なバスクラリネット・ソロ、ヨアヒム・キューンのバンドのメンバーにはルディ・マハールの姿が。他にもジョー・ザビヌル、ヤン・ガルバレク、マーシャル・ソラール、ニールス・H・O・ペデルセン、ボボ・ステンソン、トーマス・スタンコ、ピノ・ミナフラ、アントネーロ・サリス、アルヴェ・ヘンリクセン、ティル・ブレナー、ステファーノ・ボラーニなど。とにかく見所満載である。
尤も60年代のフリー・ムーヴメントの位置づけが曖昧であり、イタリアのマエストロ、ジョルジォ・ガスリーニやフランスの大御所ミシェル・ポルタル、長年にわたってベルリン・ジャズ祭の音楽監督を務めたジョルジュ・グルンツ、オランダのジニアスにしてエリック・ドルフィーの最後の共演者のひとりであるミシャ・メンゲルベルクが出ていないし、重鎮アレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハの映像はほんの瞬間だけという不満は出る。そこを指摘するクリティカルなベルリーナーも。しかし、90分の映画では全てを満足させるのは不可能であることも確か。とにかく、様々なミュージシャンの貴重な証言や映像が観られるということだけでも『Play Your Own This』は一見の価値がある。自らのヴォイスを追求した結果、バラエティに飛み、多種多様な個性が存在するヨーロッパのジャズの一端に触れるよい映画といえる。
プレミア上映の後、監督・スタッフだけではなく、出演ミュージシャンであるココ・シューマンやヨアヒム・キューンらも赤いカーペットを歩いて壇上へ。ジャズというとアメリカの音楽という定式が今でも根強いだけに、その視座を考えるとこれは実はちょっとした出来事だったのかもしれない。
ドイツ語版DVD(左)に続き、最近英語・フランス語・イタリア語字幕付のDVD(右)も発売になった。是非日本語字幕のものも出してほしいと思う。
この映画の予告編はコチラ>>> (trailerをクリック)
果たして日本でも同類の映画が作られる日が来るのだろうか。
『Play Your Own Thing』は、ミュージシャンへのインタビューと貴重なライブ映像をスナップショットのように繋ぎ合わしながら、ヨーロッパにおけるジャズ受容の課程と現在を伝える映画である。晩年のアルバート・マンゲルスドルフへのインタビュー、マイルス・デイヴィスの想い出を語るジュリエット・グレコ。ディジー・ガレスピーとダスコ・ゴイゴヴィッチとの共演、ジャーマン・オール・スターズ、クシシュトフ・コメダの若い日の姿、またバーデン・バーデンのニュー・ジャズ・ミーティングの貴重な映像も少し。最近のライブ映像では、ルイ・スクラヴィスの印象的なバスクラリネット・ソロ、ヨアヒム・キューンのバンドのメンバーにはルディ・マハールの姿が。他にもジョー・ザビヌル、ヤン・ガルバレク、マーシャル・ソラール、ニールス・H・O・ペデルセン、ボボ・ステンソン、トーマス・スタンコ、ピノ・ミナフラ、アントネーロ・サリス、アルヴェ・ヘンリクセン、ティル・ブレナー、ステファーノ・ボラーニなど。とにかく見所満載である。
尤も60年代のフリー・ムーヴメントの位置づけが曖昧であり、イタリアのマエストロ、ジョルジォ・ガスリーニやフランスの大御所ミシェル・ポルタル、長年にわたってベルリン・ジャズ祭の音楽監督を務めたジョルジュ・グルンツ、オランダのジニアスにしてエリック・ドルフィーの最後の共演者のひとりであるミシャ・メンゲルベルクが出ていないし、重鎮アレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハの映像はほんの瞬間だけという不満は出る。そこを指摘するクリティカルなベルリーナーも。しかし、90分の映画では全てを満足させるのは不可能であることも確か。とにかく、様々なミュージシャンの貴重な証言や映像が観られるということだけでも『Play Your Own This』は一見の価値がある。自らのヴォイスを追求した結果、バラエティに飛み、多種多様な個性が存在するヨーロッパのジャズの一端に触れるよい映画といえる。
プレミア上映の後、監督・スタッフだけではなく、出演ミュージシャンであるココ・シューマンやヨアヒム・キューンらも赤いカーペットを歩いて壇上へ。ジャズというとアメリカの音楽という定式が今でも根強いだけに、その視座を考えるとこれは実はちょっとした出来事だったのかもしれない。
ドイツ語版DVD(左)に続き、最近英語・フランス語・イタリア語字幕付のDVD(右)も発売になった。是非日本語字幕のものも出してほしいと思う。
この映画の予告編はコチラ>>> (trailerをクリック)
果たして日本でも同類の映画が作られる日が来るのだろうか。
by kazuey1113
| 2008-03-02 22:10
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