2011年 04月 18日
藤岡靖洋著『コルトレーン ジャズの殉教者』 |
ジョン・コルトレーン研究家として世界的に知られており、『The John Coltrane Reference』の共著者でもある藤岡靖洋の初めての日本語での著書『コルトレーン ジャズの殉教者』(岩波新書)が刊行された!
数多くの証言を取り込みながら、コルトレーンの生涯を綴っている。コンパクトにまとめられているので、コルトレーン入門書としてもいい。著者は30数年に渡ってコルトレーンを追いかけ、アメリカやヨーロッパで他の研究者と情報を交換しつつ調査、あるいはインタビューしてきた。その熱意は敬服に値する。コルトレーンに限らず、ある音楽家に傾倒する人はいろいろいるが、彼の場合は本当に徹底している。そういう著者の本だけに、今まで知られていなかった事実も書かれていた。個人的にはロフトとの関わりが興味深かった。あまり触れられることのないオラトゥンジ・アフリカ文化センターやブラック・アート・ムーヴメントについてページが割かれているのも研究家の彼らしい。また、初めて書かれた4人の女性関係については、「女たらし」というよりもなんというか生真面目で、コルトレーンらしいなと思った次第である。
長年に渡って得た膨大な資料から、新書というサイズにまとめるのはさぞかし大変だったと想像する。他にもあれもこれも書きたいことは沢山あったに違いない。また違った角度からコルトレーンを、アメリカ文化としてのジャズを書いてほしいと思う。
数多くの証言を取り込みながら、コルトレーンの生涯を綴っている。コンパクトにまとめられているので、コルトレーン入門書としてもいい。著者は30数年に渡ってコルトレーンを追いかけ、アメリカやヨーロッパで他の研究者と情報を交換しつつ調査、あるいはインタビューしてきた。その熱意は敬服に値する。コルトレーンに限らず、ある音楽家に傾倒する人はいろいろいるが、彼の場合は本当に徹底している。そういう著者の本だけに、今まで知られていなかった事実も書かれていた。個人的にはロフトとの関わりが興味深かった。あまり触れられることのないオラトゥンジ・アフリカ文化センターやブラック・アート・ムーヴメントについてページが割かれているのも研究家の彼らしい。また、初めて書かれた4人の女性関係については、「女たらし」というよりもなんというか生真面目で、コルトレーンらしいなと思った次第である。
長年に渡って得た膨大な資料から、新書というサイズにまとめるのはさぞかし大変だったと想像する。他にもあれもこれも書きたいことは沢山あったに違いない。また違った角度からコルトレーンを、アメリカ文化としてのジャズを書いてほしいと思う。
by kazuey1113
| 2011-04-18 04:34
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