横井一江のブログ "jazz,improvised music...and beyond"


by kazuey1113

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c0098087_07330348.jpgjazztokyoの連載フォト・エッセイでは毎回異なったミュージシャンについて書いているが、今回ローレン・ニュートンを取り上げた(コチラ>>>)のはリリースされたばかりの『佐藤允彦&ローレン・ニュートン/Skip the Blues』(Mobys/Chitei Records)を聴いたからだ。1982年のパンムジーク・フェスティヴァルと1986年スタジオ200での再会セッションのカップリング。未発表ライヴ音源のCD化、貴重なドキュメントである。

ローレン・ニュートンの初来日は1982年。この時、富樫雅彦、ペーター・コヴァルトとの録音『コントラスト』(キングレコード Paddle Wheel)を残しているが、佐藤允彦とのセッションの音源が残っているとも聴けるとも思っていなかったので興味津々でCDをプレイヤーに入れた。勢いのあるサウンドに引き込まれていく。疾走するヴォイス(ニュートン)に、抜きつ抜かれつ併走し先んじて手を打つピアノ(佐藤)。ここでの佐藤は内部奏法も多用している。スピード感ある展開の中に、ローレン・ニュートンの音楽に向き会う姿勢、ヴォイスによる表現の可能性を拓かんとするアグレッシヴさが浮かび上がってくる。80年代にタイムスリップしたような感覚になりつつ、楽しんだ。臨場感を伝えるアナログな音質もまた増感して現像したフイルムから焼いた写真を見ているようで一興あり。思い起こせば80年代は色々な個性のヴォイス・パフォーマーが表舞台で活躍を始めた時代である。これは、まさに当時の現在進行形の音楽だった。聴いた後、一陣の風が通り抜けていったあとのような爽快感が残ったのはそれゆえだったのだろう。

フォト・エッセイはコチラ>>>

ローレン・ニュートンの最近作は、フィル・ミントンとのデュオによる『O HOW WE』。Bandcampからのダウンロード版のみ。こちらで試聴も出来る。コチラ>>>

↓は1ヶ月限定の表紙に使用した写真@横濱ジャズプロムナード2002。彼女はフォトジェニック。
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【蛇足】昨年随分久しぶりに圧倒されるようなヴォイス・パフォーマーを観た。SOFA NIGHTで来日したソフィア(Sofia Jernberg)である。彼女のパフォーマンスはまた是非観たいと思う。ソロアルバムを心待ちにしているのだが…

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by kazuey1113 | 2014-05-27 20:41 | column

姜泰煥Breath Passage 2014

姜泰煥がもうじき来日する。今回はダンスの田中泯と中村達也に大友良英あるいは山本精一、ジム・オルークをゲストに迎えるセット、齋藤徹とのデュオ、石橋英子と山本達久とのセッション、そしてソロとバラエティに富んでいる。詳しくはコチラ>>>

毎年のように来日している姜泰煥だが、私自身が諸事雑用に追われていたり、気がついた時には既に帰国していたり、しばらくご無沙汰している。しかし、今回は久々にソロを観るチャンスがあるのが嬉しい。東京からやや遠いが宇都宮のbe offは見逃すまいと楽しみにしている。宇都宮といえば大谷石資料館だ。そこではジョン・ブッチャー&エディ・プレヴォなどを観たが、大谷石地下採掘場跡という場の特異性もさることながら、大谷石に囲まれた環境がもらたらす音響効果ゆえ、極めて印象深く記憶に残っている。姜泰煥もそこで演奏しているが、残念ながら観ていない。だが、今回ソロで演奏するbe offは大谷石の蔵を改装したスペース、そこならではの響きがあるのではと期待している。ソロ以外も見逃せない顔合わせとなっているだけに、そちらもまた楽しみである。

ツアー・スケジュール:詳しくはコチラ>>>
5月16日 埼玉県日高市・高麗神社[姜泰煥, 田中泯, 大友良英, 中村達也]
5月17日 栃木県宇都宮市・be off [姜泰煥ソロ]
5月18日 茨城県つくば市・カピオホール[姜泰煥, 田中泯, 大友良英, 中村達也]
5月21日 函館市・The Bears [姜泰煥ソロ]
5月22日 千葉市稲毛・CANDY [姜泰煥, 齋藤徹]
5月23日 京都市・同志社大学寒梅館[姜泰煥, 田中泯, 山本精一, 中村達也]
5月24日 淡路島・洲本市文化体育館[姜泰煥, 田中泯, 山本精一]
5月25日 下北沢・LADY JANE [姜泰煥, 石橋英子, 山本達久]
5月26日 五反田・東京デザインセンター[姜泰煥, 田中泯, ジム・オルーク, 中村達也]
5月27日 広島市・饒津神社(にきつじんじゃ)[姜泰煥, 田中泯, ジム・オルーク, 中村達也]
5月28日 福山市・DUO [姜泰煥ソロ+姜泰煥・中村達也デュオ]
5月28日 福山市・POLEPOLE [中村達也ソロ]
5月29日 福山市・太田家住宅[姜泰煥, 田中泯, 中村達也]
5月30日 甲府市・桜座[姜泰煥, 田中泯, 中村達也]
5月31日 静岡県袋井市・樂土舍[姜泰煥, 田中泯, 大友良英, 中村達也]
6月1日 新潟県新発田市・千光寺[姜泰煥, 田中泯]


以前に書いたフォト・エッセイはコチラ>>>


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by kazuey1113 | 2014-05-12 22:03 | informaion

c0098087_19335046.jpg2011年秋に『TWO FOR TWO / Aki Takase & Han Bennink』(Intakt)をリリースした高瀬アキ&ハン・ベニンク・デュオ。高瀬のオリジナルを中心に短い作品を取り上げたこのCDは、二人それぞれのそれまでの作品とはひと味違う展開。インテンポでスウィング、即興演奏で逸脱するのもまた愉しい。二人の相性は抜群で、その後もデュオでヨーロッパをツアーした他、高瀬のファッツ・ウォーラー・プロジェクトの進化形である「ニュー・ブルース」プロジェクトにもベニンクは参加している。だが、このデュオを日本で観ることは難しいだろうな、とずっと思っていた。しかし……

今年の夏、たまたま二人が私用と別の仕事で日本に来ることが判明。一度だけのライヴが下記のとおり実現することに!

TWO FOR TWO
高瀬アキ(p) & ハン・ベニンク(ds)
日時: 8月30日(土) PM2:30-5:00(開場 PM2:00)
場所: 新宿ピットイン 昼の部
前売開始: 7月1日  7月6日AM11:00

注) 昼の部です!くれぐれもお間違えなく!

追)今年も11月の「秋のアキ」ツアーあります。テーマはエリック・ドルフィー。只今調整中。


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by kazuey1113 | 2014-05-09 21:14
今年のメールス・フェスティヴァルは6月6日から9日。1987年以来、公園に張られたサーカステントが会場だったが、完成したてのニュー・コンサート・ホール・メールスに今年から会場が変わる。ドイツなどでは聖霊降臨祭の連休ということもあって、例年どおり多くの人が公園にキャンピングしに来るだろう。しかし、会場が変わるとフェスティヴァルそのものの雰囲気も随分違ったものになる気がする。

プログラムは3月に発表されている。マーシャル・アレン率いるサン・ラ・アーケストラ、フレッド・フリス、マーク・リボー、アート・リンゼイ、ポール・ニルセン・ラヴ、ハン・ベニンク、フランスの国立オーケストラ(オリヴィエ・ブノワ音楽監督)、アヴィ・レボヴィッチ・オーケストラ、アヴァ・メンドーザなどなど。なかなかよく出来たプログラムである。よくも悪くも安定していて、それ故に知らないサウンドに出会うかもしれないという期待感に欠けるのは致し方ないのだろう。朝と深夜のセッション、コンサート・イン・ザ・ダークと題した暗闇での音楽体験プログラムも昨年同様行われる。まだ発表されていないが、ライヴ・ストリーミングされることを期待したい。

また、今年度のメールス市のアーティスト・イン・インプロヴァイザーはユリア・ヒュルスマン。彼女は高瀬アキの教え子のひとりで、ECMなどからアルバムをリリースしている。

公式サイトはコチラ>>>


そういえば、この時期のドイツあたりの旬の食材はアスパラガス。日本で売られているものの倍くらい長~いホワイトアスパラがレストランで出された時、どう食べたらいいものか、最初うろたえたことをよく覚えている。季節柄か久しぶりに食べたくなった。しかし、日本のスーパーマーケットにはグリーンアスパラは並んでいるが、生のホワイトアスパラは見ないなぁ……。

それと、あの界隈の地ビール、ディーベルス・アルトを飲みたいなぁ……。



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by kazuey1113 | 2014-04-28 08:23 | informaion
jazztokyo最新号の連載フォト・エッセイはピアニスト、トロンボーン奏者、そして活動家だったホレス・タプスコット。知る人ぞ知るLAのジャズ・リジェンドである。西海岸のジャズといえばチェット・ベイカーやアート・ペッパーなどの「ウエスト・コースト・ジャズ」となるのだろうが、それはブランド化されたイメージでしかない。20年代から50年代にかけてLAのセントラル・アヴェニューがジャズのメッカだっとことは意外に知られていない。また、西海岸から多くの優れたミュージシャンを輩出しているにもかかわらず、彼らはNYCに出てから成功したこともあって、そのことも忘れられている。そのような中で、タプスコットはLAに留まり、ローカルな黒人コミュニティの中で音楽活動・社会活動し続けたのだ。60年代初頭パン・アフリカン・ピープルズ・アーケストラを結成したタプスコットは、自主組織UGMAAを創るに至るが、それはローカルなミュージシャン組織としてよく知られているシカゴAACMに先立つものだったのである。エッセイはコチラ>>>

エッセイを書くにあたって、ホレス・タプスコットのことをもっと知りたいと調べたら、『Songs of the Unsung - The Musical and Social Journey of Horace Tapscott』という自伝が出ていることを知った。取り寄せたのだが間に合わず、手元に届いたのは数日前だった。この本のタイトルがまさに彼の生き様を表している。まだ少しページをめくっただけだが、なかなか興味深い。

ジャズ史はスタイルの変遷を縦に積み上げるように書かれてきた。しかし、横の広がり、各地のジャズ・シーン、そして人の動きを見てみるとまた違ったものが見えてくるのではないかと思う。

一ヶ月限定の表紙↓
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by kazuey1113 | 2014-04-08 08:32 | column
jazztokyo最新号の連載フォト・エッセイは1月9日に79歳で亡くなったアミリ・バラカ。追悼の意を込めて。コチラ>>>(注:写真はクリックすると高解像度&大きくなります)

ジャズファンには『ブルース・ピープル』、『ブラック・ミュージック』といった著書で知られているが、詩人、劇作家、音楽評論家、活動家とさまざまな顔を持つ。アミリ・バラカ率いるブルー・アークの舞台「ブラック・ヒストリー・ミュージック」を観たのは1994年のベルリンジャズ祭。あれからもう20年経つ…。その訃報を知った時、ウォーレン・ベイティの映画『ブルワース』(1998年)で、アミリ・バラカ演じる浮浪者がまるで道化のように、ストーリーの重要なところに現れ、意味深な何事かを呟いていたことを思い出した。最後の場面でも呪詛のようにこう言った。「ゴーストになるな、スピリットになれ」と。アルバート・アイラーの諸作がきこえてくる。果たしてアミリ・バラカはスピリットになり得たのだろうか。合掌。

一ヶ月限定の表紙と別バージョン↓
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by kazuey1113 | 2014-01-28 20:20 | column
今年もポーランド映画祭が11月30日から12月13日に開催されるなど、最近はポーランドの芸術・文化を紹介するイベントは以前に比べて増えたように思う。

ジャズでも10月下旬に内橋和久企画による「今ポーランドがおもしろい#2」(それについてはコチラ>>>)が東京、大阪、京都(番外編)が行われた。ポーランドの今の音楽シーンで活躍するミュージシャンのライヴに触れ、彼らを知るいい機会だった。その東京、新宿ピットインでの2日間のレポートを元ジャズ批評編集長で東欧~スラヴ音楽リサーチ センター所長の岡島豊樹さんがjazztokyoに書いている。私も写真で協力。コチラ>>> (写真はクリックすると大きくなります)
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by kazuey1113 | 2013-12-01 23:58 | column
11月末にアップされたjazztokyoは、11月に京都賞の授賞式・関連行事およびコンサートで来日したセシル・テイラー特集。奇しくも今年は彼の初来日から40周年にあたる。連載フォト・エッセイもセシル・テイラー、今回は京都での取材記事。また、レア盤・レアグッズのコーナーGALLERYにも短いテキストを。

「連載フォト・エッセイ: セシル・テイラー」はコチラ>>>
続編はコチラ>>>
*クリックすると写真は大きくなります。

GALLERY:『Cecil Taylor Unit/Nicaragua: No Pasaran - Willisau 83 Live』はコチラ>>

本当はこの写真↓を表紙にと思ったのだが、デザインの関係上却下されてしまった…。(苦
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84歳という年齢もあり、昨年のブルーノート東京を始め、このところコンサートのキャンセルも度々あったので、三泊四日の京都行きを決めたものの、本当に来日するかどうか、その姿を見るまで、頭の中には「?」がつきまとっていた。しかし、思いの外、お元気そうだったので嬉しかった。賭けに勝ったような気持ち……。
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by kazuey1113 | 2013-12-01 23:39 | column
c0098087_20115710.jpg高瀬アキが11月に帰国。唯一の日本のプロジェクトT.I.T.トリオのメンバー(井野信義、田中徳崇)に林栄一を加えたユニットでツアーする。今回のテーマは「エリック・ドルフィーに捧ぐ」。現在、高瀬はアレキサンダー・フォン・シュリッパンバッハと合同のドルフィー・プロジェクトによる来年のベルリン公演に向けて始動中。 それに先駆けて、ドルフィー作品《245》、《ハット・アンド・ベアード》、《17 ウエスト》、《サムシング・スゥイート・サムシング・テンダー》などにオリジナル曲他を加えた構成で演奏。独自のメロディライン、ハーモニーの展開、変拍子を持つドルフィー作品をいかに高瀬がアレンジするか、そしてどのような即興演奏が展開するか、見逃せないライヴとなるに違いない。

高瀬アキ(p) 林 栄一(as) 井野信義(b) 田中徳崇(ds)
ゲスト(23日のみ): 内橋和久(g,etc)

11月20日(水)甲府 桜座
11月21日(木)名古屋 ジャズインラブリー
11月22日(金)東京 新宿ピットイン
11月23日(土)東京 新宿ピットイン

カルテットの他に下記のライヴも予定されている。

高瀬アキ・ソロ「マイ・エリントン」
11月16日(土)秋田 高清水仙人蔵

高瀬アキ&林栄一・デュオ
11月24日(日) 新潟 フラッシュ

このほか、作家多和田葉子とデュオで、毎年恒例となっているシアターΧでの「晩秋のカバレット」他で公演、ワークショップを行う。

多和田葉子&高瀬アキ
11月14日(木)早稲田大学 小野記念講堂 
パフォーマンス「魔 -時間の消えた島-」
11月15月(金)早稲田大学 小野記念講堂 
ワークショップ「言葉と音楽 Vol.4」
11月17日(日)東京 両国 シアターX 「魔の山」
11月18日(月)静岡大学 「雲をつかむ言/雲を飛ばす音」

詳しくはコチラ>>>
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by kazuey1113 | 2013-10-29 20:17 | informaion
暑さの真っ只中だった8月下旬から9月上旬にかけて、ふたつのノルウェー関連のイベントに出かけた。ひとつはSOFA NIGHT@スーパーデラックス、ダン・レザルブルで来日している2人のミュージシャン、イーヴァル・グリューデランドとインガル・ザックによって設立された即興音楽のCDをリリースしているノルウェーのレーベル、SOFAの名を冠したイベント。もうひとつはジャズ・クルーズ・ノルウェー@東京ジャズ。ヘルゲ・リエン・トリオは現在屈指のピアノ・トリオだろう。クラシカルだけど現代的でフレッシュ。CDでも聴いていたがライヴはそれ以上だった。というわけでレポートをjazztokyo。コチラ>>>
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by kazuey1113 | 2013-10-29 20:13 | column