横井一江のブログ "jazz,improvised music...and beyond"


by kazuey1113
1970年代後半、日本のジャズ・シーンを席巻した生活向上委員会。30数年振りにそのリーダー原田依幸と梅津和時が生活向上委員会東京本部の名前で活動を再開し、2016年10月にはファマドゥ・ドン・モイエをゲストとして招聘し、4箇所でコンサートを行う。というわけで、jazztokyoの連載エッセイではドン・モイエを取り上げた。彼のアート・アンサンブル・オブ・シカゴ(AEC)での活躍はよく知られていると思うので、違う話を少し。写真は1996年メールス・ジャズ祭に「ピーセス・オブ・タイム」(アンドリュー・シリル、ドン・モイエ、タニ・タバル)で出演した時のもの。コチラ>>>

AEC関連では、レスター・ボウイも以前に連載で取り上げている。コチラ>>>

10月の「生活向上委員会2016+ドン・モイエ」公演情報は;
コチラ>>>
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# by kazuey1113 | 2016-08-01 08:10 | column
アメリカ西海岸のジャズ・シーンで活躍したピアニスト、クロード・ウィリアムソンが7月16日に亡くなった。1926年11月18日ブラッドルボロ生まれ、享年89。7歳でピアノを始め、10年間クラシックを学んだのち、1947年チャーリー・バーネット楽団、翌1948年レッド・ノーヴォのバンド、1950~51年にかけてジューン・クリスティのバックバンドに参加。50年代半ばは自己のトリオ、バド・シャンクのバンドなどで活躍。また、彼はハワード・ラムゼイのライトハウス・オールスターズのメンバーでもあった。60年代は主にスタジオ・ミュージシャンとして活動。70年代半ばにジャズ・シーンに復帰し、演奏活動を続けていた。個人的にはベツレヘム盤『クロード・ウィリアムソン・トリオ』やジューン・クリスティのバックでの演奏が記憶に残っている。

LA Timesの記事はコチラ>>>

JazzWaxの記事はコチラ>>>
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# by kazuey1113 | 2016-07-28 21:28 | obituary
c0098087_8211876.jpgノルウェーのピアニスト、トルド・グスタフセンの新プロジェクト「Hymns and Visions」によるCD『What was said』のレビューをJazzTokyoに書いた。

「Hymns and Visions」はグスタフセンが、アフガニスタン人の父を持つケルン生まれのヴォーカリスト、シミン・タンデルと出会ったことで生まれたプロジェクトで、これまでのトリオやカルテットでの活動とは異なるチャレンジャブルなコンセプトによるもの。取り上げられているのは、ペルシャの神秘学者で大詩人ルーミーの英訳詩とグスタフセンが子供の頃から親しんでいたルター派教会の賛美歌をアフガン詩人がパシュトー語に訳したもの。ふたつの異なる宗教、世界観から生まれ、翻訳された歌が出会うアルバムだ。レビューはコチラ>>>

ちょうどこのCDを聴きながら、あれこれ考えている時に、7月17日18日に開催される郡上八幡音楽祭のテーマが「トルコ・スーフィー」であることを知った。ルーミーは旋回舞踊で知られるイスラム神秘主義(スーフィー)のメヴレヴィー教団の始祖である。これはちょっとした奇遇だった。

郡上おどりで知られる郡上八幡を拠点にするパーカッショニスト、土取利行を通して世界の音楽家を招き開催されるこの音楽祭、今年はピーター・ブルック演出『マハーバ ーラタ』などで土取と共演してきたネイ(葦笛)の名手で先日ユネスコの平和のための芸術家として指名されたクツィ ・ エルグネル、またトルコ・イスタンブールからベキル・ビュユックバッシ(歌手)、ムラット ・ アイデミィル(タンプール)を招聘し、土取は中近東のパーカッションで演奏するという。17日のメインプログラムは旋回舞踊で知られるイスラム神秘主義メヴラーナーの音楽、18日はオスマン古典音楽の公演。

郡上八幡音楽のサイトはコチラ>>>

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# by kazuey1113 | 2016-07-14 08:33 | column
ピアニスト、ドン・フリードマンが6月30日に亡くなった。1935年5月4日サンフランシスコ生まれ。享年81。50年代初めから西海岸でデクスター・ゴードン、ショーティ・ロジャース、バディ・デフランコ、チェット・ベイカー、オーネット・コールマンなどと共演。1958年にニューヨークに移住、ディック・ヘイムズのピアニストなどを務め、1961年Riversideから『ア・デイ・イン・ザ・シティ』(1961)、続いて代表作となる『サークル・ワルツ』(1962)を発表。ニューヨークに移って最初の数ヶ月間同居していたスコット・ラファロとの録音は後に『スコット・ラファロの思い出』(カメラータ・トウキョウ)としてリリースされた。『Metamorphosis』(Prestige, 1966)後は、アルバムを出す機会に恵まれなかったが、1975年にイースト・ウインドから『ホープ・フォア・トゥモロウ』をリリース。1986年からベーシスト中山英二と共に日本を6回ツアーし、共演盤も制作された。最新作は『Nite Lites』 (Fresh Sound, 2015)。また、ニューヨーク大学で長年教鞭をとっていた。

JazzWaxの記事はコチラ>>>
↑上記記事にはインタビューも掲載されていて、50年代の西海岸演奏を始めた頃のこと、スコット・ラファロのことなどを語っている。
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# by kazuey1113 | 2016-07-07 08:20 | obituary
メールス・フェスティヴァル最終日のプレス・コンファレンスにおける音楽監督ライナー・ミヒャルケの辞意表明から約1ヶ月、金曜日(6月18日)にメールス市役所で行われたメールス・フェスティヴァルの将来についての会合の結果を伝えるプレス・リリースが昨日(6月20日)出された。

会議の参加者は、メールス市議会に議席を持つ各会派のリーダー、Moers Kultur GmbH監査役会議長、文化部のコミッショナー、メールス市長、Moers Kultur GmbHのCEOと芸術監督。プレス・リリースによると、メールス・フェスティヴァルの存続と将来について、建設的とはいえないものの有意義な結果が得られたとしている。このような観点から、メールス市長の提案により、Moers Kultur GmbHのCEOディレク・ホーヘンストレーターと芸術監督ライナー・ミヒャルケは辞意を撤回することを同意するに至った。

無難に解決されてよかったというところ。前音楽監督ブーカルト・ヘネンがまだ20代のころ個人的に始めたメールス・フェスティヴァルがこれだけ世界的に知られるようになったのは、時代の先を読むアンテナだったからであり、現在もその路線を引き継ぎ、音楽監督の目を通した現在の状況論を呈示していると思う。ブーカルト・ヘネンにインタビューした時に彼も言っていたが、音楽監督はあちこちからの圧力がかかり、プログラミングについても最善の妥協を強いられている。単なるコマーシャル・イベントになっては、このフェスティヴァルの存在意義はない。また、フェスティヴァルの存在はメールスのような小規模な市にとっては大きい筈だ。音楽監督の意図が十分に反映されるようなプログラミングで今後もフェスティヴァルが行われることを願う。
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# by kazuey1113 | 2016-06-21 08:16 | informaion
日本ではほとんど報道されていないようだが、5月末にドイツの文学賞でも重要なクライスラー賞の発表があり、今年はベルリン在住で日本語とドイツ語の両方で執筆活動をしている作家多和田葉子がを受賞した。クライスト賞を外国人が受賞するのは初めてだという。多和田葉子は15年以上に亘って高瀬アキと共に言葉と音楽のパフォーマンスを行っている。今年の11月も二人によるパフォーマンスが予定されている。

クライスト賞オフィシャルサイト>>>

クライスト賞とは:Wikipediaはコチラ>>>

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# by kazuey1113 | 2016-06-20 20:17 | informaion

JJA Jazz Award 2016

6月15日にJJA Jazz Award 2016の授賞パーティが行われ、5月15日に発表された音楽家部門受賞者に続き、ジャーナリスト部門受賞者も発表された。

音楽家部門の功労賞には2016年度のピューリッツアー賞の受賞者でもあるヘンリー・スレッギル、ミュージシャン・オブ・イヤーにはマリア・シュナイダー、新人賞にカマシ・ワシントンが選ばれた。マリア・シュナイダーは作曲、編曲、レコード:『The Thompson Fields 』、ラージ・アンサンブルも制覇。受賞者は他に男性ヴォーカル:グレゴリー・ポッター、女性ヴォーカル:セシル・マクロリン、ミッド・サイズ・アンサンブル:マイラ・メルフォード、トリオ:ヴィージェー・アイヤー、トランペット:ワダダ・レオ・スミス、アルトサックス:ルドレシュ・マハンサッパ、テナーサックス:チャールス・ロイド、ギター:メアリー・ハルヴァーソン、ドラムス:ジャック・ディジョネットなど。

ジャーナリスト部門功労賞はテッド・パンケン、他に定期刊行物:ダウンビート、ブログ:イーサン・アイヴァーソン、書籍:ジョン・F・スゥエッド著『Billie Holiday: The Musician and the Myth』などが受賞。

受賞者一覧はコチラ>>>

ノミネート一覧はコチラ>>>

The Jazz Journalist Association(JJA)は国際的な組織だが、アメリカ在住の会員が圧倒的に多いので、JJA Jazz Awardはアメリカでの評価を知ることが出来て興味深い。
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# by kazuey1113 | 2016-06-16 07:59 | informaion
6月13日、2017年度NEA(全米芸術基金)ジャズ・マスターズの受賞者が発表された。ジャズ・マスターはNEAによる生涯功労賞で存命の人物にのみ授与され、音楽家だけではなく評論家やプロデューサーにも授与される。第一回のサン・ラ、ディジー・ガレスピー、ロイ・エルドリッジに始まり、過去の受賞者には錚々たる名前が並ぶ。日本人では穐吉敏子が2007年に受賞している。2017年度受賞者は、ディー・ディー・ブリッジウォーター、ディヴ・ホランド、ディック・ハイマン、ドクター・ロニー・スミス、評論家のアイラ・ギトラー。賞金はUS$25,000。2017年4月3日にケネディ・センターで授賞式とコンサートが行われる。

NEAの発表はコチラ>>>

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# by kazuey1113 | 2016-06-15 08:01 | informaion

ベルリン・ジャズ祭2016

11月1日から6日まで開催される第53回ベルリン・ジャズ祭の概要が発表になった。昨年に引き続き音楽監督はイギリス人ジャーナリストのリチャード・ウィリアムス。今年はベルリンとニューヨーク・ブルックリンに焦点を当てたプログラムが予定されている。

50年前ベルリン・ジャズ祭でセンセーショナルなデビューをしたアレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハ率いるグローブ・ユニティ・オーケストラのホームでの記念コンサートのメンバーにはエヴァン・パーカー、マンフレッド・ショーフなどが予定されている。10年前の40周年記念コンサート後にメンバーらと食事をしていた時に「今度は50周年だね」と話をしていたのだが、本当に50周年記念コンサートが実現するとは。リーダーが健在で50周年を迎えることが出来たジャズ・オーケストラは他にないのではないかと思う。

ベルリン勢ではユリア・ヒュルスマン、アキム・カウフマンなど。高瀬アキもイングリッド・ラウブロック、シャルロッテ・グレイヴとのそれぞれのデュオ・コンサートが予定されている。現在ブルックリン・シーンで活躍しているミュージシャンではメアリー・ハルヴァーソン、イングリッド・ラウブロック、スティーヴ・レーマンなど。ベテラン勢ではジャック・ディジョネット、ワダダ・レオ・スミス、またブラッド・メルドー+ジョシュア・レッドマン、ニック・ベルチェなども出演。

若手では個人的に期待しているフランスのイヴ・リッサ・ホワイト・デザート・オーケストラも出演。このオーケストラにはノルウェーのトランペッター、アイヴィン・ロンニングが参加している。(彼についてJazzTokyoに書いた記事はコチラ>>>)また、11月にはオーケストラのCDがリリースされる予定。以前に書いたイヴ・リッサのソロピアノCD『des pas sur la neige』のレビューはコチラ>>>

正式なプログラムが発表になり、前売りが開始されるのは9月。

詳細はコチラ>>>

追記:アキフ・カウフマンのプロジェクトには内橋和久がジェリー・ヘミングウェイらと共に出演する予定。

音楽監督にとってはきっと闘いがあり、妥協も強いられたと思う。それでも、有名どころばかり入れ替わり立ち替わりで、新鮮味に欠ける日本のジャズ祭に比べるとずっと刺激的!これでも多分向こうではあーだこーだ言われるのだろうけれど…。どうして日本ではこういうプログラムが組めないのだろう…
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# by kazuey1113 | 2016-06-14 21:16 | informaion
5月13日から16日に開催されたメールス・フェスティヴァルは無事終了。しかし、最終日の記者発表会で思わぬ出来事があった。このフェスティヴァルを始めたブーカルト・ヘネンから音楽監督を引き継ぎ、2006年からその任にあたっていたライナー・ミヒャルケが、2020年まで任期が残っているにもかかわらず突然辞意を表明したのだ。理由は、財政面での混乱が続き、将来的にどのようにフェスティヴァルを継続させるのか不確実になったからだという。実際、今年初めには財政面のことから混乱があったようだ。また、ミヒャルケはこれを機会にフェスティヴァルの今後について議論してほしいと語っている。コチラ>>>

ニュースはドイツ国内外に伝わったのだが、これを受け、メールス・フェスティヴァルに対して2015年度EJN Awardを授与したヨーロッパ・ジャズ・ネットワーク(EJN)の役員会は、ライナー・ミヒャルケに援助を惜しまないと発表した。EJN Awardは冒険的なプログラミングのイベントを開催したオーガナイザーに与えらえる賞で、メールスの受賞理由は40年以上に亘ってジャズ・即興音楽・その周辺音楽のヨーロッパで最も冒険的なイベントを行ってきたからだった。コチラ>>>

メールス・フェスティヴァルの今後はまだ未定である。来年以降もライナー・ミヒャルケが音楽監督に留まるのか、新たな音楽監督が任命されるのか、あるいはフェスティヴァルは今年が最後になるのか…。

商業ベースの興業とは一線を画したメールス・フェスティヴァルのプログラミングは、現代の音楽シーンを伝えるメディアだった。ブーカルト・ヘネン音楽監督時代から、特にフリージャズ・ファンの間では知名度があり、重要視されている海外のジャズ祭で、そのステージに立った日本人ミュージシャンも山下洋輔から渋さ知らズまで数多い。今後もよりよい形で継続することを切に願う。

*今年もフェスティヴァル終了後半年間はARTE Concertのサイトでメイン・プログラムの全コンサートのストリーミングが閲覧できる。
コチラ>>>

続報あり。コチラ>>>

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# by kazuey1113 | 2016-06-09 21:09 | informaion