横井一江のブログ "jazz,improvised music...and beyond"


by kazuey1113

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「セバスチャン・グラムス、日本に来るんだ!いいベースだよ!」
数日前、高瀬アキとあれこれ雑談していた時に、彼女の口から出てきた言葉である。どこかでフライヤーか何かを見たらしい。

セバスチャン・グラムスを呼ぶのは、今までもバール・フィリップスを始めとした素晴らしい音楽家などを招き、日本をツアーしてきた齋藤徹で、10月にツアーを行うとの話は以前に聞いていた。ドイツ人セバスチャン・グラムスは40代のベーシスト、クラシック~ロック~ジャズ~即興とジャンルをまたいだ幅広い活動をしている俊才である。

そろそろスケジュールが出そろったかなと齋藤徹のサイトを見たところ出ていた。10月10日~24日まで14箇所。またとない機会なので是非!
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また、齋藤徹は「矢萩竜太郎10番勝負!」を敢行中。矢萩竜太郎は齋藤徹と何度も共演しているダンサー、障がい者(ダウン症)だが、外連味のない素晴らしいダンスは国内外の聴衆に深い印象を残してきた。今秋、矢萩竜太郎は齋藤徹、ピナ・バウシュ舞踊団のソロ・ダンサーでもあるジャン・サスポータス、アコーデオン奏者のウテ・フォルカーと共にドルトムントのフェスティヴァル他ドイツで4公演に招待されている。それを前に東京、沼部「いずるば」( http://www.izuruba.jp/ )でも8月10日から齋藤徹とパフォーマンスを行っており、来る9月14日が6回目で日本の最終回。ドイツでの4公演と合わせて10番勝負!となる。

また、矢萩竜太郎を昨年から撮り続けているドキュメンタリー映像作家の近藤正典もこのドイツツアーに帯同する予定だが、渡航費の援助は認められたものの滞在費・機材のレンタル代に多額の費用がかかるため、寄付をお願いしているとのこと。なお、この企画は公益社団法人・企業メセナ協議会の認定を受けているので税額控除の対象になる。

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by kazuey1113 | 2014-09-10 08:05 | informaion
アンドレア・チェンタッツォが来日中である。2008年に彼が観光で来日した時にインタビューし、jazztokyoに記事を書いた。しかし、サーバーが移転したため、現在古い記事にはアクセス出来なくなっている。来日中ということもあり、編集部の特別な許可を得て、ここにテキストのみになるが転載させてもらうことにした。

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アンドレア・チェンタッツォとIctus Records
横井一江

アンドレア・チェンタッツォはイタリア人パーカッショニストで、現在はアメリカに住む。60年代後半から盛り上がったヨーロッパのフリー・ミュージック・シーンだが、イタリアのそれについて伝えられることはほとんどない。しかし、50年代後半に12音音楽をジャズに取り入れる試みを始めたジョルジォ・ガスリーニのような才人もいれば、ローマのマリオ・スキアーノのように1960年代初頭からフリージャズ的な演奏を始めた人物もいる。彼らとは世代的に下になるのだが、チェンタッツォはイタリアのローカル・シーン超えて活躍したパーカッショニストであり、自身のレーベルIctusには70年代から80年代にかけて各国の即興音楽家の演奏が残されている。とりわけ注目すべきなのは、70年代の後半にニューヨークへ行き、まだまだ無名だったジョン・ゾーンやトム・コラ、ユージン・チャドボーンらと共演し、その音源を録音していることだ。それらのレコードは、おそらくジョン・ゾーンらの最も初期の録音のひとつだろう。

70年代、ヨーロッパのフリージャズ第一世代といわれる即興演奏家の活動範囲はやはりヨーロッパという枠内であり、アメリカ人ミュージシャンとの共演にしてもヨーロッパに訪れた者との共演が主だった。その意味で当時ニューヨークの片隅で芽生えた若いミュージシャン達による即興音楽の次なる展開の萌芽をキャッチした嗅覚もまた才能だろう。チェンタッツィオのフットワークの軽さは、イタリアがヨーロッパ・フリーの世界では周縁の地でしかなかったゆえにもたらされたものかもしれない。当時の近藤等則の動きにも一脈通じるものがある。その近藤ともチェンタッツォはニューヨークで共演している。

チェンタッツォの音楽歴は、ジョルジォ・ガスリーニのバンドに抜擢されたところから始まったと言ってもいい。ガスリーニは、日本では過小評価されているとしかいいようがないが、イタリアのマエストロと言っていい存在である。初期の『テンポ・ジ・エラジオーネ』や『オルトレ』は音楽的な革新性を内在した作品だった。

「ジョルジォ・ガスリーニは私の師といっていい。私は小さな村に住む無名のドラマーだったけど、友人が私の送ったテープをガスリーニに聞かせた。私のパーカッション、そのコンセプションを気に入ってもらえた。それでオーディションに行って、彼のカルテットに加わり、2年間活動を共にしたんだ。その頃は月に20回コンサートがあってね。イタリアのジャズ、とりわけ前衛ジャズが一番活発だった時期だった。工場や劇場、オープン・スペースでも演奏したよ。音楽と政治的な結びつきも強かった。その頃は音楽的な革命も政治的なものも同義に捉えられていたから。工場でコンサートをした時には、家ではビートルズやローリング・ストーンズしか聞かないような人達も来て、静かに聞いていた。政治的な理由からね。でも、70年代終わりにはロックがそれに取って代わったんだ。

ガスリーニは個人的に重要なミュージシャンだ。ガスリーニはクラシック音楽の作曲や指揮もする素晴らしい技術を持ったピアニストで、12音音楽のシステムをジャズに取り入れた。彼のバックグラウンドはクラシック音楽だけど、それを初めてやったんだ。

ガスリーニはイタリアにいたということもまた重要。例えば、オーストリアの偉大なピアニスト、ジョー・ザビヌルはニューヨークに行ってしまっただろう。70年代に彼はミラノいた。彼はローカル・ヒーローだったよ」

70年代のイタリアでは前衛ジャズと政治的な運動が結びついていたことは、ガスリーニやマリオ・スキアーノも指摘していた。これは他のヨーロッパ諸国、イギリスやドイツ、オランダではなかった現象で、大変興味深い。

チェンタッツォのもう一人の師はスティーヴ・レイシーである。そして、彼との共演はまたIctus Recordsの最初の作品となった

「ガスリーニはクラシック音楽出身のミュージシャンだから、どのように演奏すべきか、どのようにスコアを読みとるべきか、どこで即興すべきか教えてくれた。でも、作品をやはり第一義的に考えていた。でも、スティーヴ・レイシーは違う。もっとオープンで、自分の感じるままに演奏することを教えられたんだ。ガスリーニの教えも一方では貴重だったが、レイシーには即興演奏を学んだといえる。

Ictus Recordsの最初の作品はレイシーとのデュオ『Clangs』だ。レイシーとはベースのケント・カーターとのトリオでツアーもした。この録音も出しているよ。その時点ではIctusを続けていけるかどうか、自分では正直わからなかった。でも、IctusはドイツのFMP、オランダのICP、イギリスのIncusと並ぶヨーロッパのフリー・ミュージックのレーベルとなった。フランスにはBYGがあったが、アーチー・シェップなどアメリカ人ミュージシャンの録音が多かったね。でも、イタリアにIctusあり、だったんだ。運営面は妻がやっていた。利益が出るとそれを元手に次ぎのレコーディングにつぎ込んだ。そうやって、現在のカタログになったんだよ。でも、私の手元にはお金は残らなかったね」

Ictus Recordsはチェンタッツォの個人レーベルだが、その共演者には当時ヨーロッパ・フリーの最前衛だったデレク・ベイリー、エヴァン・パーカーなどがいる一方、ロヴァ・サキソフォン・カルテット、またニューヨークで当時まだ無名だったジョン・ゾーンを初めとするダウンタウンのミュージシャンに至る。これは70年代から80年代のポスト・フリージャズの流れそのものなのだ。

また、チェンタッツォはMitteleuropa Orchestraを結成し、その録音もIctusに残している。ヨーロッパならではの独自の方向性を持ったオーケストラといえば、グローブ・ユニティ、ロンドン・コンポーザース・ジャズ・オーケストラ、ICPオーケストラ、ウィーン・アート・オーケストラなどの名前がすぐ浮かぶが、イタリアにも彼のMitteleuropa Orchestraがあったのだ。そのメンバーには、日本にも度々来日していたカルロ・アクティス・ダト、ジャンルイジ・トロベシなどイタリア人の他に、ドイツのアルバート・マンゲルスドルフ、オーストリアのフランツ・コーグルマンやラドゥ・マルファッティ、ポルトガルのカルロス・ジンガロもいた。短命に終わってしまったのが残念である。

1976年の最初のリリースから8年、Ictus Recordsは1984年にいったん活動を休止する。その理由は運営面を仕切っていた妻との離婚であった。その後、事故で重傷を負ったこともあって演奏活動を休止し、1991年にはロスアンジェルスに移住するが演奏活動は行わず作曲に専念する。

1997年になって演奏活動を再開。ボルチモア在住の須藤伸義(p)、ペリー・ロビンソン(b)とのトリオ、加藤英樹(b)とマルコ・カッペリ(g)とのトリオ、またガムラン・アンサンブルとの共演、ビデオを用いたマルチメディア・プロジェクトとその活動範囲は以前にも増して多彩である。一時Robi DroriからCDで再発されたもののそれも短命に終わり、市場から消えていたIctus Recordsだが、iTuneストアでのダウンロード配信を薦められ、それを始めたことをきっかけに息を吹き返した。旧譜の再発、未発表音源のリリースだけではなく、最新録音も次々と発表している。不思議なことに新生Ictus Recordsのジャケット・デザインはオリエンタル趣味。その理由はチェンタッツィオの現在のガールフレンドが日系人だからだった。「日本人のほうがその繊細さにおいて、アメリカ人よりはヨーロッパ人の感性に近い」という。彼の最近の共演者には須藤や加藤に加えて、若手日本人ミュージシャン、モトコ・ホンダ、カイ・クロサワの名前が出てくるのはそのせいだろうか。

チェンタッツォのパーカッションにおける師はピエーレ・ファーヴレである。ファーヴレはドラム・セットにゴングを持ち込んだ最初のドラマーだという。確かにチェンタッツィオのパーカッション・サウンドや拡張したセットにその影響がちらほら見える。実は彼はスイス、ベルンにあるジャズ・スクールで学んでいたのだ。その理由は「当時バークリー・メソッドをヨーロッパで教えていたのはそこだけだったから」だと。現在のチェンタッツィオの音楽性からは意外に思えるが、多くのヨーロッパ・フリー第一世代の多くが若い頃はジャズ・プレイヤーだったことを考えるとあながち不思議でもない。

フリージャズの時代以降、スイスのピエーレ・ファーヴレ、ドイツのポール・ローフェンス、イギリスのトニー・オクスレー、ポール・リットンなどヨーロッパには素晴らしいパーカッション奏者がいて、ジャズのドラム・セットの概念を超えたパーカッション・サウンドの可能性を拓いてきた。チェンタッツィオもまさにその一人といえる。

チェンタッツォはいう。「イタリア人はゴシックで情熱的である。だから、その音楽が素晴らしいのだ」。彼もまさしくその一人だ。


*Ictus Recordsの国内流通状態は不明だが、下記HPからCDを購入できる。iTune Storeでもダウンロード可能。
http://www.ictusrecords.com/
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by kazuey1113 | 2014-09-09 21:42 | column
イタリア人ミュージシャン、アンドレア・チェンタッツォが来日、9月6日のJAZZARTせんがわを皮切りに坂田明、藤原清登と現在ツアー中。チェンタッツォはイタリアのジャズ・マエストロ故ジョルジォ・ガスリーニのバンドでミュージシャンとしてのキャリアをスタート、その後スティーヴ・レイシーの薫陶を受けた。1970年代にフリーミュージックを出す個人レーベルIctusを発足、ミッテルヨーロッパ・オーケストラを結成するなど積極的に音楽活動を行っていた。コアなファンならばこのIctusからリリースされたスティーヴ・レイシーを始めとする作品の幾つかを覚えているかもしれない。80年代、交通事故で重傷を負ったため、演奏活動を中断、Ictusも休止した。しかし、1990年代初頭ににアメリカへ移住し、音楽家としての活動を再開、Ictusも復活、新録もリリースしている。

チェンタッツォの音楽における師はガスリーニとレイシーだが、パーカッションの師はピエーレ・ファーヴレ。彼の拡張したドラムセットにその影響が伺える。珍しいセットなので、JAZZARTせんがわでは終演後写真に撮る人が多くいた。今回はツアー用のセットだが、フル装備の写真ではファーヴレのように(それ以上たくさん)ゴングをずらりと並べていた。

今回共にツアーしている坂田、藤原とは、2012年にイタリア、ミラノで行われた震災チャリティ・イベントで偶然共演することになったのだという。この3人の相性はとてもよく、日本で再演、そしてツアーとなったのである。

9月8日 大阪 ロイヤルホース
9月12日 中州ジャズ
9月13日 中州ジャズ
9月14日 三原 順勝寺
9月15日 岡山 蔭涼寺
詳細は藤原清登のサイトに出ている。コチラ>>>

また、9月16日には石川高(笙)と秋山徹次(g)と共演する。「日本人のほうがその繊細さにおいて、アメリカ人よりはヨーロッパ人の感性に近い」というチェンタッツォ。この出会いもまた興味深く、見逃せない。

9月16日 キッド・アイラック・アート・ホールアンドレア・チェンタッツォ(per, electronics)、石川高(笙)、秋山徹次(g)
開場19:30 開演20:00
予約2700円 当日3000円
Tel: 03-3322-5564
Mail: arthall@kidailack.co.jp

チェンタッツォ@JAZZARTせんがわ↓
c0098087_08213214.jpg
(フレームドラムが反射板になってしまっていて…)


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by kazuey1113 | 2014-09-09 08:23 | informaion