横井一江のブログ "jazz,improvised music...and beyond"


by kazuey1113

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ジャズと落語

今年もCDベスト(ナントカ)というアンケートが来る季節になったので、一年をふり返ってみたが、新譜をチェックするどころではないという期間も長く、身もココロも余裕のない年だったなとつくづく…。

c0098087_1910676.jpgそれでもCDはどんどんリリースされていて、いいなと思うCDはいろいろあったが、ジャズのCDで「楽しい!」と感じたのは佐藤允彦師匠の『江戸戯楽』(Baj Records)しかない。というわけで、まだ湯気が出ているうちにCD Reviewをjazztokyoに書いた。コチラ>>>

『江戸戯楽』のレコ発ライヴも12月7日(水)新宿ピットインで行われる。ゲストに噺家の古今亭志ん彌師匠!ベースは加藤真一、残念ながらレコーディング・メンバーの村上寛が都合により出られないためドラムは井上功一、もうひとりゲストでヴォーカルの上杉亜希子が出演。一日だけのジャズ高座と相成り候ふか!
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by kazuey1113 | 2011-11-28 19:10 | informaion
ギター、そしてダクソフォン奏者として知られるハンス・ライヒェルが11月22日にドイツ、ヴッパータールで亡くなった。1949年5月10日生まれ、まだ62歳だった。ギター奏者としてし音楽活動を始めたライヒェルだが、自ら楽器制作も手がけるようになり、ダクソフォンという楽器を考案した。ダクソフォンは、様々な形状の木片をダックスと名付けたギターのフレット部分を切断して裏返したような器具で押さえ、弓引きする。そのサウンドは、人や動物の声にも似ていて、ユーモラスな音がしてとても楽しい。FMPなどに多くの録音があるが、『Yuxo: a new daxophone operetta』(a/l/l)は個人的には好きだった。ちなみに日本で唯一この楽器を演奏しているのが内橋和久である。

Westdeuche Zeitungの記事はコチラ>>>

The FontFeedの記事はコチラ>>>
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写真は2006年のトータル・ミュージック・ミーティングで撮影したもの。合掌。
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by kazuey1113 | 2011-11-24 01:12 | obituary

ポール・モチアン(モーシャンと表記するのが正しいらしい)が11月22日にニューヨークの病院で亡くなった。1931年3月25日生まれ、享年80歳。半世紀以上に渡るドラマーとしてのキャリアの中で、よく知られているのは50年代後半から63年にかけてのビル・エヴァン・トリオ、67年頃から70年代のキース・ジャレットのグループ、またポール・ブレイとの共演、そしてECMやJMT、Winter&Winterなどに録音が多く残る自己のグループでの活動ではないか。ご多分にもれず、私が最初に聴いたモチアンのプレイはビル・エヴァンスの『ポートレイト・イン・ジャズ』だったが、近年のジョー・ロヴァーノとビル・フリーセルとのトリオやクリス・ポッターとジェイソン・モランとのトリオなど、彼独特の空間構築の美学が印象深かっただけに残念である。またひとつ個性が逝ってしまった。合掌。

The New York Timesの記事はコチラ>>>

All About Jazzの記事はコチラ>>>

Jazz Timesの記事はコチラ>>>

San Francisco Chronicleの記事はコチラ>>>

The Wasgington Postの記事はコチラ>>>
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by kazuey1113 | 2011-11-23 11:17 | obituary

ヨーロッパさまざま

なにかあるとすぐさま署名活動が始まり、チェーンメールが来るのはフランスだが、ベルリンでも市の文化予算激減に対して署名活動が行われている。1998年にはジャズ関連で200万ドイツマルクあったのだが、147,200ユーロ(ジャズだけではなくポピュラー・ミュージック、ワールド・ミュージック、ニュー・ミュージック、サウンド・アートも含めた全体で842,000ユーロ)になってしまった。かつてゲーテ・インスティチュートの援助でジャーマン・オール・スターズが来日したり、あるいはグローブ・ユニティが世界ツアーを行ったのは、昔の語りぐさになりつつある…。署名は今も受け付け中。こころある人はコチラ>>>

追)自分が関わったベルリン・コンテンポラリー・ジャズ・オーケストラ来日(1996年)も2006年ドイツ年企画『伯林大都会-交響楽 都市は漂う~東京-ベルリン2005』、また高瀬アキ&ジルケ・エバーハルト日本ツアーなどもベルリン市が渡航費を出してくれたから可能になったともいえる。というように、この問題はミュージシャンの来日も大きく左右するのである。

厳しさをますドイツやフランスに比べ、ノルウェーなどの北欧は恵まれているように見える。11月17日に開催されるFOLKELARM(フォルケラーム)というオスロで開催される伝統音楽フェスティバルの東京版(コチラ>>>)など、ジャンルを問わずさまざまなミュージシャンが来日している。これもサポートあればこそなのだろう。

また、EU議長国就任ということで7月から世界の10都市でポーランド文化を紹介するプログラム「I, CULTURE」が開催されている。東京でも詩や演劇、ダンス、デザインだけではなく、音楽分野でも11月3日のemfp (Exploratory Music From Poland)のライヴに続いて、11月18日19日には新宿ピットインで「今 ポーランドがおもしろい!!!! ポーランド・ニューミュージック・フェスティバル」(director:内橋和久)が行われる。コチラ>>>
まさか日本でこのような企画のフェスティヴァルが行われるとは思っていなかっただけに、個人的にはちょっと楽しみにしている。

ヨーロッパ各国の文化政策も助成金事情も随分変わってきたと思う。それとは無関係に音楽家の日常は続いている。「生き延びることが才能」と言ったミュージシャンがいたが、まさにそうかもしれないと、日本の現実のなかで実感する…。
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by kazuey1113 | 2011-11-09 21:31 | informaion
6月から毎月行われてきた副島輝人フィルモグラフィも11月11日が最終回。今回は1987年メールス・ジャズ祭、1981年ピサ・インターナショナル・フリージャズ・ミーティング、北走譚というプログラムで、ゲストは映像作家の牧野貴。

メールス映画で観る世界フリージャズ史!!
副島輝人フィルモグラフィ Vol.6
2011年11月11日(金) 開場 PM18:30 上映開始 PM19:00
会場:アップリンク・ファクトリー
詳細はコチラ>>>

1. 1987年メールス・フェスティバル(50分)
ザ・パット・ブラザース(リンダ・シャーロック、ウォルフガング・プシュニック等)、マリア・ジョアオ + 高瀬アキ・デュオ、カネイユ(イレーネ・シュヴァイツァー、ジョエル・レアンドレ等)、デヴィッド・マレイ・オーケストラ、ボブ・ステュアート・アンド・ザ・ファースト・ライン・バンド(スタントン・デイヴィス等) 他9グループ 

2. 1981年ピサ・インターナショナル・フリージャズ・ミーティング(42分)
アンソニー・ブラクストン + リチャード・タイトルバーム・デュオ、レオ・スミス・ソロ、アネット・ピーコック・ソロ、ミルフォード・グレイヴス + 近藤等則・デュオ、アレキサンダー・V・シュリッペンバッハ3 他7グループ

3. 北走譚(42分)
1984年、高柳昌行の北海道ツアーを追ったロード・ムービー

今回は特に個人的に懐かしい映像や音と再び巡り会えるのを楽しみにしている。1987年メールスには私も行っているからということだけではなく、1982年ピサでのアレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハ・トリオのライヴLP(パウル・ローフェンスのPo Torchからリリースされた)はそのトリオの録音では一番のお気に入りだったからだ。また、『北走譚』は今夏リリースされた高柳昌行『メタ・インプロヴィゼーション』の音源となった北海道ツアーを撮ったもの。初冬の北海道の冷たい空気感が伝わってきて、北海道生まれの私としてはタイムスリップしたような心持ちになる。日勝峠(狩勝峠のほうだったかな、記憶があいまい)での眺めとかも。酷暑の真っ最中に『メタ・インプロヴィゼーション』のCD Reviewを頼まれて、汗を拭き拭き書いたが、やっぱりこのCDは空気がヒンヤリと冷たく、キリリと締まった季節になってから聴くのがいい。(今買い時ですよ)
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by kazuey1113 | 2011-11-09 20:02 | informaion

セルゲイ・レートフ

セルゲイ・レートフ(マルチ管楽器奏者、作曲家)はペレストロイカ以前から前衛的な表現を探求してきた音楽家で、世代的にはセルゲイ・クリョーヒンとほぼ同じである。(クリョーヒンについての拙文はコチラ>>>)彼は演奏活動にさまざまな制約があった旧ソ連時代から、「公式/非公式」の枠を超え、ジャズ、現代音楽、ロックといった多様な音楽ジャンル、文学、演劇、映画、絵画など多彩な分野の芸術家とも交流、共演してきた。彼については音楽評論家の岡島豊樹氏が詳しく、インタビューもアップされているので、興味のある方はそれを読んでもらいたい。コチラ>>> 

そのセルゲイ・レートフが、新潟大学における公開研究会「ソ連非公式芸術とジャズ文化」他で講演するために来日するという。

12月3日 新潟大学・新潟駅前南キャンパス「ときめいと」(ジュンク堂の2階)
新潟大学人文学部主催 公開研究会「ソ連非公式芸術とジャズ文化」
報告:セルゲイ・レートフ、木村英明、梅津紀雄、岡島豊樹、司会:鈴木正美
入場無料

12月4日 砂丘館
上記関連公演「ロシアから即興の風が吹いてくる2」
出演:セルゲイ・レートフ(sax)、堀川久子(dance)、河崎純(b)、鈴木正美(cl)
入場無料

12月8日 埼玉大学

12月9日 早稲田大学


東京でも旧知のミュージシャンのライヴなどに出没、友情出演するもよう。

12月6日 荻窪 ベルベットサン 
SXQ[松本健一(ss)、立花秀輝(as)、藤原大輔(ts)、吉田隆一(bs)、木村昌哉(ts,ss)]

12月7日 西荻窪 音や金時 
向島ゆり子(vl)、石川高(笙)、関島岳郎(tuba)

12月8日 渋谷 Bar Isshee
梅津和時(sax,etc)、坂田明(sax)

12月9日 入谷 なってるハウス 
原田依幸(p)

12月10日 渋谷 アップリンク
セルゲイ・レートフ来日記念 『ロシア・ジャズ再考/復活祭』
Talk:鈴木正美(ロシア・ジャズ研究家) 岡島豊樹(東欧~スラヴ音楽リサーチ・センター)
Live:構成:河崎純(b) 演奏:a' qui avec Gabriel(acc)、立岩潤三(per)+パフォーマンス・映像:「いまからここで」

12月11日 吉祥寺 サウンドカフェ・ズミ 
ポスト・クリョーヒン・スタディーズ(特別編)

岡島氏のブログ「東欧ロシアジャズの部屋」ではレートフ関連記事はもちろん、東欧ロシアのジャズについて沢山の書かれているので、興味のある方はぜひ。コチラ>>>
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by kazuey1113 | 2011-11-06 10:22 | informaion