横井一江のブログ "jazz,improvised music...and beyond"


by kazuey1113

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昨日は、ドバイ政府が政府系企業ドバイワールド社が来月満期を迎える債権の満期償還が出来なくなり、その半年延期を債権者に要請したことと、それに端を発した円急騰が何かと話題に。もう一年近くも前だろうか、ドバイだってヤバイよという話は耳にしていたし、その後も少しは情報を得ていたのでひどく驚いたわけではないが、以前アルゼンチンが債務不履行に陥った時に比べるとかなり唐突なニュースだった。ドバイが仮に破綻して他の新興諸国への投資にも影響出るとすれば、それによって行き場を失った資金はどこへ向かうのか。金はもう既に上がっているが…。

それはともかくドルの動きが気になる。この水準は14年ぶり。もはやドルは主要基軸通貨から降りようとしているのか、とさえ思わせる。この円高が続けば企業決算にも大きな影響を与えるだろう。そして、経済は?

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今朝の新聞のトップは、行政刷新会議の「事業仕分け」作業が終了したというニュース。確かに私企業では絶対存続し得ない財務状況にあるのだから、予算見直しは当然のこと。つくづくよくもまあこんなことにと思う無駄遣いが多々あるのは事実。また、その反応には短絡的、感情的だな、と感じることも少なくない。

文化予算は。これもまた随分と無駄遣いが多いのことは確かである。ではいったいどこがどれくらい、ということについて文部科学省の「行政刷新会議事業仕分け対象事業についてご意見をお寄せください」というページを見てみた(コチラ>>>)。

「(独)日本芸術振興会関係」の評価コメントを見ると、「基金(政府分)は廃止」とある。ということは芸術文化振興基金の芸術文化活動に対する助成は単純に考えても現状の2割以下になる計算だ。これは大変と騒ぐ人がいてもおかしくない。だが、平成21年度助成対象活動、音楽の部を見た時に対象活動となった団体にアリオン音楽財団、サントリー音楽財団などの財団法人の名前ばかりが並び、それに加えて東京都歴史文化財団の名前まであったことに異様さを感じたことを思い出した。それでは財団へ助成する財団ではないか。とはいえ、予算がカットされるならばこのような諸々の財団運営にも影響することは間違いない。コメントにはまた「すべて地方へ集中」とあった。だが、中央と地方の役割分担がきちんとなされていない現状では、これは単に責任を宙吊りにするだけではないのか、と思う。

「芸術の国際交流」についてのコメントに、「芸術は自己責任」、「人材育成は不要」とあったのには目を疑った。確かに、何もせず助成金だけを頼りにという態度があるとするなら本末転倒であることは当たり前。どういう基準でその可否が決まるかなど疑問はある。だが、行政刷新会議とはいえ国の機関がこのような言葉を発してよいのだろうか。日本という国家の見識が疑われるのではなかろうか。また、予算の対象が「経費」なのか、「投資」なのかによっても見方が変わるだろう。そこのところも十把一絡に選別しているとしか思えない。

仕分け云々、予算削減以上に問題なのは、国家としての文化政策が見えないことである。ビジョンもストラテジも何もない。地方へ委ねよ、と言ってもドイツのように連邦国家ではないし、フランスのように地方での文化活動を活性化させることを実現してきたわけではない。私企業や個人の芸術創造活動をサポートするためのシステムもまた出来ていない。アメリカでもNPOなどへの寄付金は課税されないが、日本では寄付金控除となるのは特定公益法人に限られている。また、ノルウェーのように音楽もまた「輸出産業」と考えてプロモーションに力を入れるというわけでもない。

財政をまずなんとかしないといけない、予算を削らねばならない、ということはよくわかる。だが、同時に文化政策もきっちり呈示することは必要不可欠である。それによって予算の使い方が変わるのだから。こちらのほうがもっと重要ではないか。なんか順序が逆だな、と思ったのだ。

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こういう時期にペーター・ブロッツマンが来日する。(コチラ>>>) 
これもある種の必然なのだろうか。

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隻眼なのは、片目を眼帯で被っているため。それにメガネというなんともヒドイ姿。コンタクトレンズを代えたらそれが合わなかったのか(他の原因があるかもしれないが)アレルギーが出て、あまりに痒いのでついつい目をこすってしまったために傷つけてしまい、片目がすご~く腫れ上がってしまったのだ。なにかオカシイと鏡を見た時、すごくショックを受けてしまった。今はかなりマシになったもののコンタクトレンズは要注意である。
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by kazuey1113 | 2009-11-28 12:28 | misc.

Jazz from Germany

ゲーテ・インスティチュートが、Jazz from Germanyというサイトを創った。ドイツにおけるジャズの歴史、ドイツのジャズ・フェスティヴァルやクラブの紹介、ドイツ人ミュージシャンの海外ツアー情報などが掲載されている。歴史についていえば、レコード等の情報だけでは得られないローカルな動きなども簡単ながらも記載されているので、ヨーロッパ・ジャズの歴史に興味のある人は是非。
コチラ>>>

来る2011年は日独交流150周年とか。ジャズ関連の公演等もそれに合わせて行われることを期待したいが…。
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by kazuey1113 | 2009-11-25 20:39 | informaion
c0098087_1644101.jpg昨年、10年ぶりに公演を行ったバリー・ガイのロンドン・ジャズ・コンポーザース・オーケストラ。そのライヴ盤『BARRY GUY. LONDON JAZZ COMPOSERS ORCHESTRA Radio Rondo IRENE SCHWEIZER Schaffhausen Concert 』(Intakt)のCD Reviewをjazztokyoに書いた。
コチラ>>>
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by kazuey1113 | 2009-11-21 16:52 | new release
c0098087_954816.jpg7月に日本ツアーを行い、その高い音楽性で好評を得た高瀬アキ&ルイ・スクラヴィス。この二人によるデュオ・アルバム『YOKOHAMA』(Intakt Records)が四半期毎に発表されるドイツ・レコード批評家賞2009年度第四四半期クロスオーヴァー・プロダクション部門に選出された。高瀬アキの作品がドイツ・レコード批評家賞を受賞するのはなんと8回目、最多記録。高瀬は10回をめざして頑張るわ、と冗談めかして言っていた。スクラヴィスはおそらく初めてだろう。賞状はIntakt RecordsのHPにアップされていた。コチラ>>>

Preis der deutschen Schallplatten KritikのHPはコチラ>>>

また、『YOKOHAMA』は欧米ではとてもよい反応を得ており、フランスのジャズ雑誌jazz magazine 11月号でもCHOC(推薦盤)に選出された。そのレヴューはコチラ>>>

高瀬とスクラヴィス、この二人はとても気が合うようで、今後デュオに限らず高瀬のプロジェクトでスクラヴィスが参加する可能性もあるだろう。スクラヴィスのステージは、ドイツ、日本で随分と見てきたが、このデュオの時ほどリラックスしていてる姿を見たことはなかった。それに、スクラヴィスがステージ上でもあんなに饒舌だということも。ホームのフランスはまた別だと思うが、それまで私が観たステージでは寡黙だったので。また、日本ツアーをスクラヴィスは楽しんだようで、それはとても嬉しい。かと言って、次はいつと私に聞かれても困るが。
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by kazuey1113 | 2009-11-15 09:04 | informaion
c0098087_195785.jpg音楽研究家、星野秋男氏の著書『ヨーロッパ・ジャズ黄金時代』(青土社)が刊行された。ヨーロッパ・ジャズに造詣が深い星野氏ならではの著作。各国、地域の総論とミュージシャン紹介、ディスクガイドからなるが、彼が「黄金時代」と考えている60年代から70年代初頭が中心となっている。エヴァン・パーカーもルイ・スクラヴィスも出てこないのはそれゆえ。

だが、この二十数年間ヨーロッパをほぼ毎年訪れている私には、70年代半ばからヨーロッパ・ジャズが低迷し、表面上活気を取り戻したのは90年頃からという説などには異論がある。きっと見ているところ、ジャズという括りの捉え方が違うのだろう。おそらくヨーロッパの人がこの本を読んでもさまざまな異論が出るに違いない。本書に書かれているのは日本から見たヨーロッパ・ジャズであり、それは私自身が書くことも含めて日本に住んでいる以上逃れられないことなのだから。そのようなことはさておき、ヨーロッパ・ジャズについての変遷がわかるまとまった本が出たことはよいことであり、まずはそれを嬉しく思いたい。

440枚のディスク紹介は自ら書いているように星野氏の好みが反映されているものの、よい盤が紹介されているので本文と併せて読むとクロノジカルに60年代から70年代初頭のヨーロッパ・ジャズを具体的に知ることができる。かつてはレア盤だったが、今ではCD化されているものも多いだけに、私もこのディスク・ガイドは大いに活用させてもらう所存。欲を言えば個々のミュージシャン紹介をもっとアップデートしてほしかった。なぜならまだまだ現役バリバリの人も少なくないし、また日本語できちんと紹介されていない人も多いからである。尤もそれをやるとキリがないので、致し方ないが…。

兎にも角にも70年代からよくもまあ沢山のヨーロッパのLPを蒐集したものだと感心した。紙が箱に入っていて製本されていないが膨大な情報が掲載されたウォルター・ブルーニングのディスコグラフィを日本で二番目に購入したのが星野氏だったということにも敬服。ファックスもない時代、貿易会社にはテレックスはあったものの一般的に海外とのやりとりがまだまだ手紙で、輸入手続きも今より面倒だった時代を知るだけに、その熱意にはただただ頭が下がるのみである。
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by kazuey1113 | 2009-11-14 20:14 | new release
帰国後、熱が38度未満だったという一点を除いてほぼインフルエンザ症状の風邪(医者に行ったけれどのインフルエンザの検査をしなかったので病名は風邪)でしばらくダウン。あっという間に11月も半ば。

11月のベルリンといえばベルリンジャズ祭、そして同時期に開催されるトータル・ミュージック・ミーティング(TMM)だったのだが、助成金が下りなかった今年TMMは遂に中止に追い込まれた。40年続いただけに残念である。
詳しくはコチラ>>>

ベルリンではjazzwerkstadttがさまざまなイベントを開催、そのカフェでもライヴが行われている。コチラ>>>
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by kazuey1113 | 2009-11-14 18:48 | informaion

佐藤允彦&SAIFA

11月28日&29日は佐藤允彦2DAYS@新宿ピットイン。今年7月、オランダのノースシー・ジャズ祭に出演した佐藤允彦&SAIFA。9人のメンバーいずれも多忙なために再演は難しいと思われていたが、奇跡的にメンバーのスケジュールが合い、28日はノースシー・ジャズ祭のために佐藤允彦が書き下ろした1時間に渡る作品<Isomer>が演奏される。また、29日は加藤真一、村上寛との佐藤允彦トリオ。

詳しくは佐藤允彦のHP:コチラ>>>

このSAIFAの再演は個人的にとても楽しみにしているのだ…。
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by kazuey1113 | 2009-11-14 18:32 | informaion
c0098087_18194823.jpgほぼ毎年のように来日し、その衰えぬパワーで日本の音楽シーンに刺激を与えているペーター・ブロッツマン。12月に再来日が決定。まずは12月4日から8日まで、スイスのマリーノ・プリアカスとミヒャエル・ヴェルトミューラーとのトリオ「フル・ブラスト」でツアー、12月9日にはスーパーデラックスで恒例になりつつある「ブロッツフェス2009」をフル・ブラストの二人に坂田明、ジム・オルーク、八木美知依等を迎えて行い、その後12月11日から17日まで「ブロッツマン忘年ブロー!」と題して八木、本田珠也等と数カ所で演奏と多彩なスケジュール。フル・ブラストはかつてのラスト・イグジットのようにパワープレイを身上とするユニット。12月、ブロッツマンが咆哮する!

フル・ブラスト日本ツアー
ペーター・ブロッツマン(sax, cl, tarogato)、マリーノ・プリアカス(e-b)、ミヒャエル・ヴェルトミューラー(ds)
12月4日(金)東京・新宿ピットイン Tel: 03-3354-2024
ゲスト: 近藤等則(electric tp)
12月5日(土)東京・新宿ピットイン Tel: 03-3354-2024
ゲスト: 大友良英(el-g)
12月6日(日)大阪・Nu Things Tel: 06-6244-1071
12月7日(月) 神戸・旧グッゲンハイム邸 Tel: 078-220-3924
12月8日(火) 名古屋・Tokuzo Tel: 052-733-3709

c0098087_1821787.jpgブロッツフェス 2009
12月9日(水)東京・六本木スーパーデラックス
Tel: 03-5412-0515
ペーター・ブロッツマン(sax, cl, tarogato)、坂田明(as, cl)、ジム・オルーク(el-g)、八木美知依(箏)、マリーノ・プリアカス(el-b)、ミヒャエル・ヴェルトミューラー(ds)、本田珠也(ds)、トッド・ニコルソン(b)、荒巻茂生(b)、田中徳崇(ds)


ブロッツマン忘年ブロー!
12月11日(金) 千葉・キャンディ Tel: 043-246-7726
ペーター・ブロッツマン(sax, cl, tarogato)、トッド・ニコルソン(b)、本田珠也(ds)
12月12日(土) 横浜・関内エアジン Tel: 045-641-9191
ペーター・ブロッツマン(sax, cl, tarogato)、八木美知依(箏)、本田珠也(ds)
12月13日(日) 東京・西荻アケタの店 Tel: 03-3396-1158(平日10:00am~6:00pm)、03-3395-9507(毎夜7:00pm~11:00pm)
ペーター・ブロッツマン(sax, cl, tarogato)、八木美知依(箏)、本田珠也(ds)
12月 14日(月) 埼玉・バーバー富士 Tel: 048-772-2175
『ブロッツマン忘年ブロー!~ Brötzmann-Yagi Duo』
ペーター・ブロッツマン(sax, cl, tarogato)、八木美知依(箏)
12月17日(木) 東京・渋谷メアリージェーン Tel: 03-3461-3381
ペーター・ブロッツマン(sax, cl, tarogato)、坂田明(as, cl, vo)
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by kazuey1113 | 2009-11-14 18:23 | informaion

ポール・ローヴェンス

今年還暦を迎えたドラムス、パーカッション奏者ポール・ローヴェンス。「Vermoergen」(能力という意味)と題したローヴェンスのコンサートが、ドイツのリンツ市で12月4日から6日まで開催される。1970年から続いているアレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハ・トリオ、これも30年以上続いているポール・リットンとのデュオの他、ギュンター・クリスマン、マツ・グスタフソン、ラドゥ・マルファッティ、ユージン・チャドボーンなどとの即興セッションが3日間に渡って繰り広げられる。それにしてもヨーロッパ・フリーの第一世代は元気。それゆえ下の世代の存在感がいまだに薄くなってしまうのが難。

詳細はコチラ>>>

このポール・ローヴェンス、ネクタイは毎日代えるのだが、ステージに立つときにはずーっと同じドラム・シューズを履いている。これは一種の験担ぎらしい。

また、髪型を変えて髭を付けるとヒットラーのそっくりさんになるらしい。その扮装で舞台に役者?として立ったこともあるとか。写真をじーっと眺めて納得した。
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by kazuey1113 | 2009-11-14 18:01 | informaion
ベース奏者シローン(ノリス・ジョーンズ)が10月21日(ネット上には22日と表示してあるサイトもある)にベルリンで亡くなった。1940年9月28日アトランタ生まれ、享年69歳。50年代から音楽活動を始め、当初はサム・クックなどのバックバンドで働いていたが、60年代半ばにニューヨークに移ってからはサニー・マレイ、アルバート・アイラー、アーチー・シェップなどと共演。71年にルロイ・ジェンキンス、ジェローム・クーパーとレボリューショナリー・アンサンブルを結成。ニューヨークのロフト・シーンで活躍した。1989年からベルリンに住む。録音はESPやIndia Navigationにレボリューショナリー・アンサンブルの作品が、他にマリオン・ブラウン、ガトー・バルビエリ、ディヴ・バレル、セシル・テイラーとの共演盤などがある。2004年から2005年にかけてレボリューショナリー・アンサンブルの『AND NOW...』(Pi Recordings)など自己名義・コ・リーダー作数枚をリリースしている。合掌。

Pi Recordingsのサイト内のNewsはコチラ>>>

jazzkeller69 e.V.のRIPはコチラ>>>
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by kazuey1113 | 2009-11-02 19:58 | obituary