横井一江のブログ "jazz,improvised music...and beyond"


by kazuey1113

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スコピエ

旧ユーゴスラビアのマケドニアは人口約200万人の小国。そこの首都スコピエに1982年から続く中欧随一のジャズ祭があることは寡聞にして知らなかった。その28年の間、ユーゴスラビア内戦あり、隣接するコソボでは紛争あり、独立に際しては国名でギリシャともめるという不穏なことが相次いだにも関わらず、ジャズ祭は休まずに続けられ、欧米の一流ミュージシャンがそこを訪れている。80年代初頭にガネリン・トリオなどが出演しているのは旧共産圏ならではのラインナップだろう。街中でジャズ祭のポスターを見かけたが、マケドニアの文化省が共催、大手企業がスポンサーとなり、文化事業としてジャズ祭運営がサポートされているのは羨ましい限りである。内容もまた日本の大手ジャズ祭とは比べものにならない。実際のフェスティヴァルも約1500人収容のコンサートホール他で行われたが、ソールドアウトだったらしい。
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スコピエにある11世紀の城塞跡。歴史に翻弄されてきた地域ならではの遺跡だろうか。スコピエのアレクサンダー大王空港には軍用ヘリコプターが並んでおり、市内でもNATO軍兵士を見かけた。
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↓城塞のある公園からはスコピエ市内を一望できる。
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ターキッシュ・バザールの入り口のカフェでローカル・ミュージシャンが演奏していたのはサティだった。
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そういえば旧ユーゴスラビアのヤイツェ生まれのトランペッター、ダスコ・ゴイコヴィチのアルバムに『スインギン・マケドニア 』というのがあったっけ。
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by kazuey1113 | 2009-10-27 19:56 | misc.

イスタンブル

イスタンブルは今まで行ったどの街とも大きく違っていた。
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↑ホテルの窓からの眺め。
朝、モスクから流れるアザーンとかもめの鳴き声で起こされるとは…。
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活気がある街である。若者も多い。裏通りにはまた違った表情が。
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↑トルコ航空の機内誌でセシル・テイラーの写真を発見。アクバンク・ジャズ祭の広告だった。アクバンクはトルコの銀行で、そこが文化事業としてジャズ祭を行っているもよう。2010年の欧州文化首都になるだけある。日本では考えられない…。

ちなみにジャズを聴くのはインテリが多いそう。話には聞いていたが、やはりそうらしい。スタイルはいろいろだが、フリージャズはあまり聞かれないとか。
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by kazuey1113 | 2009-10-27 16:31 | misc.
今年のベルリンジャズ祭のテーマは「ブルーノート70周年」(コチラ>>>)だが、出演予定だったブルーノート・ミュージシャン、ロバート・グラスパーがキャンセルしたため、急遽ブルーノート・ジャパンの大西順子が代わりに出演することが決まった。

ベルリンジャズ祭のHPはコチラ>>>
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by kazuey1113 | 2009-10-18 08:30 | informaion
数時間前に届いた本『エクスペリメンタル・ミュージック 実験音楽ディスクガイド』(NTT出版)。著者はフランスの音楽ジャーナリスト、フィリップ・ロベール(訳:昼間賢・松井宏)。タイトルにはエクスペリメンタル・ミュージックとある。訳せば実験音楽。だが、アカデミックなヨーロッパ・クラシック音楽のそれとは異なったくくりの本であることは、一目見てわかった。「実験音楽ディスクガイド」とサブタイトルにあるように、約100名の音楽家のディスク1枚~2枚を取り上げ、音楽家と音盤について語ったもの。それは、ルイジ・ルッソロに始まり、ジョン・ゾーンに終わる。クセナキス、シュトックハウゼンから大友良英やメルツバウ、杉本拓まで。中には美術家のジャン・ティンゲリーやデビュッフェ、ウィリアム・バロウズも。このラインアップ、イギリスの雑誌The Wireに近い。というか、もしThe Wireがこういう特集をやったら近いものになるのでは、ということ。

序文はノエル・アクショテ。受け取ってからまだ数時間、読破はしていないがペラペラとページをめくってみた。当然、異論はあることはわかりきっている。もし、全て「はい、仰せのとおり。全く同感」だったら、寧ろ気持ち悪い。それはともかく、「実験音楽」というのが、ジャンル横断的に音楽を語るひとつの括りになるということ。またここに取り上げられたのが、職業音楽家だけではないことは興味深い。音楽教育を受けていないことが寧ろ効を奏して、音楽的教養のもたらす足枷にハマらずに自由な発想を得られたというケースも多々あろう。「実験音楽」のある種の大衆化ということがあるとするならば、もしかするとそれは今なのかもしれない。

だが、このようなコレクションは、嗜好の違いによる差違があるにせよ個人のレコード・ラックではよく見受けられるものではなかろうか。音楽鑑賞はより「個人的」になっている。音楽について語る言葉もまたそれを追いかけ、拡散しつつあることを感じる。これも今日的なことなのだろう。系譜はもはや意味をもたなくなってしまったのか…。

訳者あとがきに昼間賢は、「実験的であるかどうかの判断の基準」は、「何らかの方法論から導き出されたものかどうか」、そして「自前の方法論を編み出すための基盤、つまり音楽史の知識が不可欠」と記している。だが、目次に並んだ名前を見ながら、それさえも危うい、そういう判断基準さえもが揺らいでいるようにさえ思うのだ。

それはともかく、この種の音楽を取り上げた本にしては読みやすいし、ディスクガイドとしてはもちろん有用!それをどう活用するかも読者次第。ジャンルを問わず「実験的」とされる音楽に興味のある向きは一度手にとって見てはどうだろうか。
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by kazuey1113 | 2009-10-17 18:18 | informaion
ドイツのマンハイム、ハイデルベルクなどで10月2日から11月11日にかけて開催されているジャズ祭Enjoy Jazz。ウェイン・ショーターからフランス国立オーケストラのロバート・ワイアット特集、ヴィージェイ・アイヤーまで、またシンポジウムやマスタークラス・ワークショップもあり、バラエティに富んだプログラムである。なぜか日本人の出演者は坂本龍一。今年のベルリンジャズ祭ではブルーノート70周年特集だが、こちらはECM40周年特集。ジョン・アバークロンビー、エグベルト・ジスモンチ、ルイ・スクラヴィス「ロスト・オン・ザ・ウェイ」、ラルフ・タウナー、エンリコ・ラヴァなどが出演。詳しくはコチラ>>>

考えてみれば、アメリカを代表するジャズ・レーベルもヨーロッパを代表するジャズ・レーベルもドイツ人が創ったのである。全く嗜好は異なるが、録音へのこだわり、ジャケット・デザインにもレーベル色が強く出ているところといい、共通点を感じるのは私だけだろうか。

ECMというと以前はある種のイメージが思い浮かんだが、カタログをよく見ると随分と多種多様なCDを大量にリリースしている。個人的には初期の作品が今更ながら秀逸に思えるが、新譜情報もいまだに要チェックである。私がいちばん最近買ったCDはエヴァン・パーカー・エレクトロ・アコースティック・アンサンブルの新譜『The Moment's Energy』だった。
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by kazuey1113 | 2009-10-15 20:26 | informaion

仏蘭西幻想奇譚

ピアニスト矢沢朋子、一年半ぶりのソロ・ライブは、【仏蘭西幻想奇譚】と題した選曲で聴かせるミニ・サロン・コンサート。

サティは≪薔薇十字会の鐘≫、ラヴェルは≪夜のガスパール≫より、そしてフランスに限りない憧れを抱いていた神秘和音で知られるスクリャービン。来年度(2010年度)武満徹作曲賞の審査員に選ばれたトリスタン・ミライユの≪ラ・マンドラゴール≫も。『のだめカンタービレ第18巻』にも登場したこの作品の初演者は矢沢朋子、久々の再演となる。

秋の午後、サロン的な雰囲気でのライブなので、フランスのロイック・レゾン社のシードルと栗のお菓子付きき(←こちらは要予約)。
マチネ(PM2:00スタート)なのでどうかお間違いなく!

【仏蘭西幻想奇譚】

日時:11月1日(日) 開場13時30分 開演14時
会場:カーサ・クラシカ
出演:矢沢朋子(ピアノ)
料金:予約4000円(シードル又はティー&ガトー・セット)
当日4000円(1ドリンク付)
予約・問い合わせ:03-3505-8577(PM5:00以降)
*準備の都合上シードル&ガトー・セットはご予約の方のみ

演奏曲目:夜のガスパール(ラヴェル)、薔薇十字会の鐘(サティ)、マンドラゴール(ミュライユ)、2つのダンス(スクリャービン)他
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by kazuey1113 | 2009-10-15 19:30 | informaion
11月に帰国し、トリオ、デュオなどでライブを行う高瀬アキ。
関西方面では、ダンスの岡登志子の企画による即興公演も行われる。

11月14日(土) 芦屋市立美術博物館・1Fホール
岡 登志子×高瀬アキ 即興公演 2009
出演: 岡登志子(dance) 高瀬アキ(p) ゲスト:井野信義(b)
詳しくはコチラ>>>
11月15日(日) OAG神戸センター
Ensemble Sonne: Klang Tanz vol,2 
-音と身体のセッション- 
Improvisation live &After session  
出演: 岡登志子(dance) 高瀬アキ(p) 井野信義(b)
詳しくはコチラ>>>

トリオ等のライブ情報はコチラ>>>
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by kazuey1113 | 2009-10-15 19:12 | informaion
ジョージ・ルイスの著書『A Power Stronger Than Itself: The AACM and American Experimental Music』が、ビフォア・コロンブス・ファウンデーションのアメリカン・ブック・アワードを受賞。

ビフォア・コロンブス・ファウンデーションは1976年にイシュメール・リードヴィクター・ヘルナンデス・クルス、ショーン・ウォン、ルドルフォ・アナーヤによって立ち上げられたNPOで、「多文化文学」をひとつの価値と捉え、その普及のための活動を行っている。なかでも最もよく知られているのが、いかなる制限も偏見も排除し、アメリカ合衆国の優れた文学作品に栄誉を与えるというこのアメリカン・ブック・アワード。ここでは、人種、性別、信条、文化的背景、そしてまた分野も問われない。

受賞者の一覧はコチラ>>>

授賞式は今日10月11日、ニューヨリカン・ポエツ・カフェで行われる。
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by kazuey1113 | 2009-10-11 13:11 | informaion

Point of Departure Issue 25

Point of Departure Issue 25がアップされている。表紙はピーター・エヴァンス。個人的に若手トランペッターで一番期待しているひとり。スチュワート・ブルーマーのコラムEzz-theticsもピーター・エヴァンス。ビル・シューメイカーのコラムPage Oneで取り上げているのはジョン・サーマン。

アルバムチェックとしても有用なCDレビューMoment's Notice、今回は『ズボンで/坂田明&ちかもらち』も取り上げられている。それを書いたのはフランチェスコ・マルティネリ。

The Book Cooksで抜粋が掲載されているのは、The Philosophy of Improvisation by Gary Peters と Digging: The Afro-American Soul of American Classical Music by Amiri Baraka。どちらも未購入なので早速取り寄せ。

このオンライン・ジャーナルの主宰者ビル・シューメイカーはアメリカ人だけど、執筆陣は国籍色々だがかなり強力。このクォリティはなかなか得難い。

Point of Departureはコチラ>>>
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by kazuey1113 | 2009-10-07 20:47 | informaion

イスタンブルのジャズ祭

10月3日、先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が開催されたトルコのイスタンブル。その音楽状況が、なんとなく気になり始めたのは数年前?もう少し前からだろうか。2010年の欧州文化首都のひとつ、文化的にも地勢的にも興味をそそられる都市でもある。

ニューヨークで会った放送局に務めている女性は、ジャズはインテリの間で聴かれていると言っていたが、トルコのジャズについては正直よくわからない。が、こんなジャズ祭が開催されていることを知った。第19回というから1991年にスタートしたのだろうか。トルコのミュージシャンだけではなく、セシル・テイラー&トニー・オクスレーなどの名前も。西と東が出会う都市、あたり前だけどプログラミングもまた。ビッグスポンサーがついた東京のメジャーなジャズ祭よりもずっと面白そうと思うのは私だけ?世界経済では、G7(G8)からG20に移行しようとしている。それは文化面にも現れているような気がしてならない。

AKBANK Jazz Festival >>>

というわけで、ヨーロッパ行きの途中イスタンブルにちょこっと立ち寄ってみるのも悪くないと思って旅程を立ててみた。正味一日だけどそれしか都合がつかない。そうしたら、ビジネスマン顔負けのスケジュールに…。(泣) ゆっくり観光だけで一週間の旅行、そんなのは夢のまた夢。。。
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by kazuey1113 | 2009-10-07 07:40 | misc.