横井一江のブログ "jazz,improvised music...and beyond"


by kazuey1113

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Evergreen

7月にルイ・スクラヴィスとツアーする高瀬アキだが、長年の相棒ルディ・マハールとのデュオで『Evergreen』(Intakt Records)をリリースしている。スタンダード集ではなくて、エバーグリーンという言い方がいいな、と思った。同じバスクラリネットを専門にする演奏家だが(スクラヴィスはクラリネットもサックスも吹く)、あまりにも違った個性。これはこれで楽しい。偶然といえば偶然なのだが、いずれも初めて見たステージはメールスジャズ祭で、知らない名前ながらも印象に残ったことを覚えている。少し前に書いたCD Review@jazztokyoはコチラ>>>

今では滅多に聞かなくなったモダンジャズとかそれ以前のジャズ、あるいは全盛期のハーレムの音楽をもう一度聴き直したら、その斬新さとか見落とされていることとかに気が付きそうな気がする。さんざんいろんな音楽を聴いてしまった今だからこそ、日本版ジャズ言説に囚われずに逆に楽しめるようにも。今年の終わり頃からはスローダウンしてそういう時間が作れたらいいな、と思う。ハーレム文化にはひとかたならぬ興味もあるし…。
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by kazuey1113 | 2009-04-28 08:48 | informaion
昨年ソロCD『ラブホテル』(Bishop Records)をリリースした異能の歌手・ヴォイスパフォーマー、ヒグチケイコが、井野信義と今井和雄とのライヴを行う。doubtmusicからリリースされた『ブラッド/今井和雄トリオ』の評価も高い今井と大ベテラン井野と共にヒグチがどのようなパフォーマンスを繰り広げるのか、興味深いセッションとなるだろう。

日時: 4月29日(水) 午後7時開場、7時30分開演
会場: 東京・渋谷 公園通りクラシックス
出演: ヒグチケイコ(ボーカル、ピアノ)、井野信義(ベース)、今井和雄(ギター)
料金: 予約:2,000円 当日:2,500円(ドリンク代別)
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by kazuey1113 | 2009-04-28 07:50 | informaion
7月に来日するルイ・スクラヴィスだが(スケジュールはコチラ>>>)、来日に合わせてIntakt Recordsからの高瀬アキとのデュオ『YOKOHAMA』、彼のバンドによる新譜『ロスト・オン・ザ・ウェイ』(ECM→ユニバーサル)が発売されるが、その他にも『Piffkaneiro / KOJ & Louis Sclavis』もリリースされた。これはエルンスト・ルビッチのサイレント映画『山猫リシュカ(1921年ドイツ 原題:Die Bergkatze 英題:The Wildcat)にスイスのグループKOJが音楽をつけ、そのレコーディングにスクラヴィスを招いたもの。この映画にはポーラ・ネグリが出演していた。2006年のドイツ映画祭でも上映されている。

アマゾンで検索した時に、DVD『Monster in the Forest: The Story of the Cyclop 』 も購入できることを発見。スイス人現代美術家ジャン・ティンゲリーを追ったドキュメンタリーだが(夫人ニキ・ド・サンファルももちろん登場)、スクラヴィスが音楽をつけている。

ヨーロッパでは高い評価を得ているにも関わらず、日本ではスクラヴィスの活動はなかなか紹介されず、紹介されてもECM盤やアルド・ロマーノ、アンリ・テキシェとのトリオぐらいだが、即興演奏、他にも映画や映像、ダンスや朗読との仕事など幅広く活躍している。そういう意味でも今回の来日は彼の幅広い音楽性を垣間見ることができるまたとないチャンス!

私にとってスクラヴィスや高瀬アキはジャンル云々(ジャズとか即興とか現代音楽とか)ではなく、その演奏が何であれ、彼/彼女の音を聴きたいと思わせる数少ないミュージシャンなのだ。ジャズ・ジャイアンツと言われたミュージシャンはその典型だったのが、新しいコンセプトの呈示というのは大いに興味のあるところであるものの、こういうミュージシャンに新しく出会うことが最近減っているような気がするのがちょっと残念。
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by kazuey1113 | 2009-04-26 11:21 | informaion

ルイ・スクラヴィス

7月11日(土)12日(日)に横浜開港150周年企画として行われるテキスト・音楽・ダンスによるコラボレーション『横浜発-鏡像』(神奈川芸術文化財団主催)にゲスト出演、また7月4日から8日にかけて高瀬アキとのデュオでの10年ぶりに日本ツアーを行うルイ・スクラヴィス。彼の新譜『ロスト・オン・ザ・ウェイ』(ECM→ユニバーサル)が来日記念盤として7月1日に発売されることが急遽決定!

高瀬アキ&ルイ・スクラヴィスDUOによって今年2月に録音された今秋発売予定の『YOKOHAMA』(Intakt records)はツアーに合わせて世界に先駆けて日本で先行発売されることも決まっている。

『横浜発-鏡像』ならびに高瀬アキ&ルイ・スクラヴィスDUOのツアー・スケジュールはコチラ>>>
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by kazuey1113 | 2009-04-23 19:33 | informaion

ピンクのブタちゃん

c0098087_19291028.jpg閑話休題。

先日ブログに書いた(コチラ>>>)ニクラウス・トロクスラー展のポストカード。今月いっぱい開催されている。

私的にちょっと癒されるかも。

(本当はすっごくきれいなショッキングピンクなのだが、なかなか上手く色が出ない…。こういうのはやはり印刷でないと駄目である)

と、こういうことをして遊んでいる場合ではなかったのだ…。
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by kazuey1113 | 2009-04-20 19:34 | misc.
先に書いたブログ(コチラ>>>)にmixiで反応があったので、その続きというわけでないが。

もう随分前、インターネットが普及した頃だと思う。情報の遍在化と偏在化が同時進行していると思い、それについて自分が書いた文章の中でもちらっと触れたことがあった。だが、周囲の反応は「こんなに便利になったのに」とか「こんなに情報が手に入るようになったのに」といったもので、誰も相手にしてくれなかった。だが、ここにきて同じような危機感を持つ人がいることを知った。グーグル化という言葉も登場した今になって、やっとその弊害も取り上げられはじめたというところなのだろう。キーワード検索の限界は当の本人もとっくに気がついていて、コンテンツマッチとかインタレストマッチという商品をさっさと売りに出しているのだ。

音楽に話しを戻すが、やはりこういう時代なればこそ、音楽には演奏そのものの強さとクォリティがより求められることになるのだろう。3年ぐらい前にアレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハが『Twelve Tone Tales』というCDを出したのだが(拙レビューはコチラ>>>)、The Wireに載った評には「ボクは十二音音楽理論について知らない。十二音音楽についてWikipediaで読んだけどよくわからなかった。でも、この音楽はカッコいいと思う」といったことが書いてあった。うろ覚えなので原文とは違っているだろうが、大体そういうニュアンスだったと思う。レトリックにせよ、こういうことって素敵なことではないか。理屈ぬきに音楽が伝わっているのだから。聴き手に届くというのは、こういうことだと思う。音楽のジャンルとか種類、傾向ではなく、それ自体の持つ強さとか質が大事なのである。

(追:こういう紹介のしかたもいいな、と同時に思った。楽理的、あるいはニューアカのジャーゴンを鏤めたところで、そういうのを特に好む人たちを除いて、一般の読み手に訴求するとは考えられないからだ。)
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by kazuey1113 | 2009-04-20 08:53 | misc.
以前からフリー、インプロのライブにおける集客の問題はよく耳にした。前衛的な音楽・芸術活動の先端部分を理解し、受容する人々が少ないのはいつの時代も変わらないし、世界中似たような状況だろう。例えば、ジョセフ・ホルブロック・トリオ(デレク・ベイリー、トニー・オクスレー、ギャビン・ブライヤーズ)が60年代半ば地元シェフィールドで毎月定期的に行っていた実験的ライブにやってきたお客さんは毎回30人から40人程度だったというし、多くの今はベテランと言われる名前の通ったミュージシャンにしてもヒトケタのお客さんを前に演奏した経験は少なからずある。また、集客イコール音楽の質を決めるわけではない。だが、ここに至って尋常ではないなと思いはじめた。なぜなら、例外を除いてインプロのライブはヒトケタが当たり前で、客席に20人いれば多いという状況になってきているからだ。

その理由はなぜだろう、とざっと問題点を書き出してみた。

- ファンの人数に比べてライブの回数が多い。
フリー、インプロのファンは多くはないし、それぞれの好みもますます細分化している。ひとりひとりが1ヶ月に趣味に費やせる予算は限りがあるから、単純計算しても一つのライブに来るお客さんの数は多くはないだろう。昨年9月のリーマン・ショック以降の未曾有の不況で、私の身近でも減収あるいは給与の減額という話を聞くようになった。そうなれば当然趣味に費やす予算も減額となるが、ライブの数自体は減っていないから、ますます一回あたりの集客は減るということになる。あくまでも単純計算での話だが。

- それでも満員御礼のライブもある。
例えば、ブロッツ・フェス、ICPオーケストラ、あるいは昨年開催されたFttari Festivalなどは沢山の人が来ていていた。クォリティのあるイベント(ブロッツ・フェス、ICPオーケストラ)、あるいは興味をそそる、サムシング・ニューを期待できるイベント(Fttari Festival)ならばお客さんはやってくる。やはりお客さんもお金を支払う以上、その使い道は選ぶ。わけのわからないものより、何かを期待出来るものに足を運ぶ。これは当然だろう。だから、企画者や主催者の努力が集客を左右する。例えば、ケーキ屋さんの広告に掲載されたケーキの写真は「美味しそう」に写っていないといけない。「うちではこんなに美味しそうなケーキを売っていますよ」ということをいかにお客さんに伝えるか、知恵を絞っているお店の広告は気を惹く。芸術はケーキと違うんだと言われればそれまでだが、ただ企画するだけでは片手落ち、気概があるのならそれを伝えないといけないのではないだろうか。

- ファンが増えないのはなぜか。
そもそもインプロあるいは即興音楽という名前を知らない人が大多数だということ。あるいはインプロというある種の音楽ジャンルを認知していたとしても、「わけがわからない」、「難しそう」、「楽しくなさそう」という先入観がどうしても先立つのである。ジャズの場合はまだいいのだが、フリージャズはいまだに鬼っ子だろう。それでも演奏者が減らないのは、そのような音楽表現における面白みがあるからなのだが、それについて紹介されることは少ない。ましてやシンプルにわかりやすい文章となると希少だ。また、客数が少ないライブであればある程、ご常連さん、ミュージシャンの友人、知人の割合が高い。そうなるとたまたま訪れた人には非常に居心地の悪い状況になってしまうのだ。誰が悪いわけではないのだけれども、やはり一見さんがリピーターになる確立は減ってしまう。

- 即興なればこそ当たりハズレがある。
即興演奏ゆえに、思いもかけない素晴らしいパフォーマンスに出会い至福の時を過ごすこともあれは、その逆もある。ライブを重ねることによって安定したカタチが出来上がるので、コアなファンならばそのプロセスを楽しむことも可能かもしれない。他方、そのようなプロセスを否定する考えもある。しかし、もしアナタが初めて体験したインプロのライブがたまたまハズレだったら、たぶんもう二度とそのようなライブに足を運ばないかもしれない。好みの問題なら致し方ないとしても、こういう場合の当たりハズレは痛い。

- 実験的?前衛的?なればこそ
エゴが強くて当然にせよ、実験的(前衛的)であるべき、これはゲイジュツなのだという生真面目さが前面に出てしまうとシンドイ。そういう意識もファン層を狭めているのでは、とも思う。何らかのウィットというか、ユーモア感覚というか、笑いというか、そういうのがあると愉しくなるのだが…。「なんだかよくわからないけど面白かった」というのはすっごい褒め言葉だと思うのだ。

- 情報はますます偏在化し、ますます届かなくなっている。
遍在化ではなく偏在化である。よくネット上には情報がなんでもあるでしょう、と言われる。そのとおり。でも、あえて探そうと思わないと見つけられない。いや、探しても見つけられないことも多い筈。雑誌などをペラペラめくっていた頃のほうが、偶然に「これ面白いかもしれない」ということに出会える確率はずっと高かった。情報を発信する側もなんらかの工夫をしないと駄目なのである。広い海上に無数の島があって、そのどこかに宝があったとしても見つけるのは困難至極。まさにそんな状態なのである。わりと(ジャズや即興音楽関係の)情報が入りやすいところにいて、なおかつ検索が得意なほうだと自負している(←おかげで余計なことを頼まれて困る)私も、「へぇ~、そんなライブあったんだ」とか「XXX来日してたの」と後になってから知ることも少なくないのだから。

- 評論家はなにもしてくれない?
まさにそのとおり。評論と宣伝は別物である。評論活動は必要だと思う。だが、紹介もなされていない現状では、それ以前の段階の問題なのだ。

- なぜヨーロッパではフリー/インプロは生き延びているのか。
いずこも厳しい状況は変わらない。特に助成金があちこちで減額されたりしていることは大きな問題だろう。しかし、今まで信念をもって地道に(愚直に)フェスティヴァルを続けてきた人々、またレコード・CDを出し続けてきたレーベル、そして紹介あるいは批評してきた人々がいる。ミュージシャンの自意識、あるいは技量も高い。背景となる文化の違いもあるが、長年培われた相互の信頼関係があればこそ生き延びているのである。個人個人の相性等々の問題はいつもつきまとうにせよ、ネットワークや人間関係の絆は存続しているといっていいだろう。日本では親分子分の関係や情実関係は存在するが、自立した個人によって成立したネットワークあるいは組織というのが出来ないのはなぜなのだろうと思う。

- では、どうすればいいのか。
足元をもう一度見よ、漫然と企画するのではなく、より緻密に戦略を練って企画せよということだろうか。抽象的で漠然とした物言いだが、ビジョンとストラテジ、短期と中長期を分けて、調整していくことが大切なのではないかと思う。これをやったら絶対などというものはないのである。仮に現在有効な手段があったとしても将来的にも有効かどうかはわからない。消費行動はますます個人的になっていくだろうし…。

- 音楽ファンだけが音楽を聴くわけではない。
どうしてもマイナーなジャンルだとコアな音楽ファンを特定し、そこにアピールしようとする。だが、聴衆はそこにだけいるのではない。ケース・バイ・ケースだが、潜在的ファン層にいかにアクセスするかが大事なのではないだろうか。そうでなければ、絶対的な聴衆の数は減少していくのみである。

- フリーやインプロを知らない人にそれを聞いてもらうには。
セレクトショップの発想がいいのではないかと思う。ジャズ・ファンがジャズだけ、インプロ・ファンがインプロだけしか聞かないということがあり得ないということは、その逆もありなのである。問題はセレクトショップの発想をどのように応用していくかなのだが…。

と、ここまで書き出してみた。これはまとまった考察でもなんでもなくて、とあるきっかけから思うところを書き並べてみただけのものにすぎない(←これこそブログの原点だとおもう)。そこのところはどうかご了承いただきたい。

追) 生き延びることも才能のうち、と言ったミュージシャンがいたが、ますますその言葉の真実味が増す今日この頃である。
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by kazuey1113 | 2009-04-18 15:00 | misc.

Point of Departure Issue 22

オンライン・ジャーナルPoint of Departure Issue 22がアップされている。

表紙はヘンリー・カイザー。編集長ビル・シューメイカーがコラムEzz-theticsで取り上げているのはデニー・ザイトリン。The Book Cooks(新刊の抜粋)は、ゲイル・プリースト著『Experimental music : audio explorations in Australia』とジョン・ティルバリー著『Cornelius Cardew (1936 - 1981) a life unfinished』。今回はフランチェスコ・マルティネリのコラムはお休み。Travellin' Lightはポール・リットン、最悪の手荷物トラブル体験は、80年代に近藤等則、パウル・ローフェンスとの日本での仕事が終わった後のフライトだったとは。

CDレビューMoment's Noticeでは日本で紹介されることの少ないアルバムが多く取り上げられており、CDリリース情報としても有用なので、英文レビューを読むのが面倒な人も取り敢えずタイトルチェックだしてみるといいと思う。

Point of Departureはコチラ>>>
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by kazuey1113 | 2009-04-12 20:01 | informaion

桜色から若葉色へ

満開の桜もいいけれど、私的にはポツリポツリと咲き始めた頃が一番好きなのだ。単にヘソ曲がりなだけかもしれないが。近所の目黒側沿いの桜並木も半分以上散ってしまって、若葉が出始めている。まだ頑張って咲いている桜もまた風情があるかもしれない、と思って手持ちのコンパクト・デジカメで。
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散歩しながら、ものは見方、捉え方次第とも思う……。
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追)うちから上半分だけ小さいながらもかろうじて見える東京タワーの「ダイヤモンドヴェール」も今日はグリーンだ。
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by kazuey1113 | 2009-04-11 16:15 | misc.

訃報:バド・シャンク

サックス奏者バド・シャンクが4月2日自宅で亡くなった。享年82歳。40年代にチャーリー・バーネットやスタン・ケントンのビッグ・バンドでキャリアをスタートさせ、50年代にはハワード・ラムゼイ・ライトハウス・オールスターズや自身のバンドなどでウエスト・コースト・ジャズシーンで活躍した。また、バド・シャンクはローリンド・アルメイダとのコンビでボサノバが流行する以前からブラジル音楽をジャズに取り入れたミュージシャンだった。70年代、80年代の活動ではローリンド・アルメイダ、レイ・ブラウン、ジョフ・ハミルトンとのLA4がよく知られている。個人的にはフルートが素晴らしかった『ザ・バド・シャンク・カルテット』が印象深い。

Washington Postの記事はコチラ>>>

Los Angeles Timesの記事はコチラ>>>
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by kazuey1113 | 2009-04-09 13:09 | obituary