横井一江のブログ "jazz,improvised music...and beyond"


by kazuey1113

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84歳になったドラマー、ロイ・ヘインズが、フランス文化省から芸術・文学部門のコマンドール勲章を今日3月31日、le Siecle du Jazz(ジャズの世紀)展が開催されているケ・ブランリ美術館で授与されることになった。同時にアメリカの女性ヴォーカリスト、スティシー・ケント、フランスでは現在最も注目株で面白い!トランペッター、メデリック・コリニョンの二人に芸術・文学部門のシュヴァリエ勲章が授与される。

QOBUZの記事はコチラ>>>
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by kazuey1113 | 2009-03-31 22:13 | informaion

続・文化予算

芸術文化振興基金の平成21年度助成対象活動、音楽の部を見ていて気がついたのだが、対象活動となった団体にアリオン音楽財団やサントリー音楽財団も含め名の通った財団法人が名を連ねており、それに異様さを覚えた。加えて東京都歴史文化財団の名前まであった。

というのも、そもそも財団法人というのは個人や企業から寄贈された財産を運用し、その運用益を主な収入として運営がなされている筈だからである。しかし、これは勝手な想像だが、昨年9月のリーマン・ブラザースの破綻に端を発した金融危機により、資産運用もままならぬという状態なのだろうか。

オーケストラ(これも財団法人になっている場合が多い)は、そうでなくても公的助成金がなくなると存続出来ないだろう。死活問題である。昨年、橋本大阪府知事の指示で関西のオーケストラへの補助金がカットされたことが話題になったが、いずこのオーケストラも厳しい状況にあるのは想像がつく。

そうなるとどうしても優先順位が決まってくるのが世の常。アメリカ政府が大手自動車メーカーや金融機関、あるいはAIGを救済するのと同じ構図である。だが、中小零細、個人事業者は倒産しても自己責任で、負債の取立はあっても誰も助けてくれない。

ごく一部の商業的成功を収めているアーティストを除いて、特にクラシック・現代音楽の場合、助成なくしては演奏活動を行うことことは、ギャラ云々以前に現在の日本では不可能だろう。ジャズ・ミュージシャンの場合、幸運にもジャズ・クラブがあるので、かろうじて演奏の場だけはなんとかあるが…。

このような状況下では、音楽家も主催者も公演等の企画段階で冒険することなど難しいと想像する。新しい創造活動にチャレンジしたくとも二の足を踏んでしまうだろう。とりあえず価値観の定まったもの、無難なところに落ち着いてしまえば、聴き手を刺激を与えることもできない。あるいは、ごく小さなサークル、趣味・嗜好を同一とする仲間内で簡潔してしまう活動に終始せざる得なくなってしまう。

文化庁の予算も『「文化芸術立国」の実現と文化発信』を標榜するには戦略がわからないし、なんともお粗末な内容にしか見えない。日本にもアンドレ・マルロー、あるいはジャック。ラングのような文化大臣がいれば、違っていたのに思う。。。

追記:
真っ先に予算を削られ、しかもそれに対する反論も一般メディアにほとんど出ないということは、社会的認知度の低さをも意味している。それはまた関係者および音楽家自身にも問題があるということを意味しているのではないか。現在のような大きな転換期では、音楽家の側もその活動に公共性なり、品質が問われていることに自覚的にならないといけないと思う。助成金・補助金等を得ている場合は言わずもがなである。そうでなければ、技術的なことを除けばアマチュアの愛好家や学生による活動と何ら変わりはないということになるのだから。
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by kazuey1113 | 2009-03-30 22:10 | misc.
多和田葉子の書き下ろしテキストに高瀬アキによる音楽・構成、ゲストにルイ・スクラヴィス、ダンサーの川口ゆいを迎えて、7月11日(土)12日(日)に横浜開港150周年企画として行われるテキスト・音楽・ダンスによるコラボレーション『横浜発-鏡像』(神奈川芸術文化財団主催)の前売りが本日開始された。

『横浜発-鏡像』
多和田葉子(text、朗読) 高瀬アキ(音楽・構成、piano) 
ルイ・スクラヴィス(cl, sax) 川口ゆい(dance)
7月11日(土)横浜 赤レンガ倉庫1号館ホール
7月12日(日)横浜 赤レンガ倉庫1号館ホール
開演15:00 (両日とも)
チケット(全席指定):
一般3,000円 ペア券5,000円 学生(24歳以下)2,000円
チケット取り扱い:神奈川県民ホールチケットセンター 045-662-8866
チケットぴあ0570-02-9999 イープラス 

今日は他にも色々な公演の前売り開始と重なったためか、チケットぴあになかなか繋がらないとの声があった。もしかすると神奈川芸術文化財団のチケットセンターがいちばんスムースに繋がるのかもしれない。コチラ>>>

高瀬アキ&ルイ・スクラヴィスDUO日本ツアー
7月4日(土) 埼玉県 深谷 ホール・エッグファーム
7月5日(日) 静岡 青嶋ホール
7月6日(月) 東京 新宿ピットイン
7月7日(火) 広島 オリエンタルホテル チャペルコンサート
7月8日(水) 神戸 グッゲンハイム邸 ゲスト:岡登志子(dance)
ツアーの詳細等は随時こちらにアップする予定なので是非アクセスを。
コチラ>>>
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by kazuey1113 | 2009-03-28 21:30 | informaion

文化予算

今週、定額給付金の申請書が区から届いた。「ばらまき」との批判が大きかったが、もう決まってしまった以上、せめてそれが消費活性化のプラスになればと思う。今年に入ってから業種・業態を問わずますます消費は冷え込み、事業者は大なり小なりかなり厳しい状態に直面しているのが、周囲からひしひしと伝わってくるからだ。どうかお財布をロックしないてほしい、という声が聞こえる。

平成21年度予算案も成立したが、文化予算はどうなのだろうとネットで閲覧できる範囲内でチェックしてみた。「平成21年度文化庁予算(案)の概要」には、『「文化芸術立国」の実現と文化発信』とある。総額では昨年度に比べると微増。その予算(案)だけ見ても公演事業等への助成などが増えているのか(ありえないけど)、減っているのか、よくわからなかった。(文化庁のHPはコチラ>>>

しかし、昨日公表された芸術文化振興基金の平成21年度助成対象活動決定を見ると、昨年度に比べて総額で約22%減、現代舞台芸術創造普及活動の音楽は金額で約28.7%減だった。コチラ>>>

予算の大枠は変わっていないのに「なぜ?」と思って、ググってみると、「公的助成削減の来年度文化庁予算案」(赤旗新聞)という記事(2月に書かれたので来年度となっている)を見つけた(コチラ>>>)。また、「芸術・文化活動への公的助成制度に関する質問主意書」というのもあった(コチラ>>>)。これを提出した石井郁子氏も共産党の議員、芸術・文化活動への公的助成制度の問題点を指摘している。他の政党やメディアは文化には関心がないのだろうか…。悲しいことである。

芸術文化振興基金の助成が受けられる確立は音楽の場合、約21%と昨年度に増して狭き門になりつつある。申請書類や手続きが煩雑なので、ジャズ関係で申請する団体(個人)は少ないが、地道に活動している角田健一ビッグバンドや守屋純子オーケストラの名前は決定者の中にあった。だが、彼らは例外中の例外で、音楽の場合、助成金を得られる団体(個人)の多くは財団等が主催する定期・定例公演がほとんどである。ちなみに他分野の状況はまた違う。

これでは大企業優先の経済政策と同じではないか。音楽家の多くは個人事業主である。当然、この未曾有の不景気で少なからず厳しい状況に直面しているのは同じなのに、真っ先に切られているのである…。

ヨーロッパ在住のミュージシャンや関係者と話をしているとよく文化予算や助成金についての話題が出る。フェスティヴァルや海外ツアーはそういう助成金あってこそ成立しているので、自ずと関心も高くなるのだろう。文化に対する意識のあり方も違う。これは背景となる文化・歴史が違うので、単純に比較出来るものではないが…。

ところで、芸術創造活動へのサポートというとすぐ助成団体からの助成金がまず浮かび、寄付金への課税について取り上げられることはまずない。アメリカでもNPOなどへの寄付金は課税されない。だが、日本では寄付金控除となるのは特定公益法人に対するものだけである。せめて、そういう税制を改革しもらえると好きな芸術・音楽あるいはアーティスト/ミュージシャンならばと公演等に援助してくれる奇特な方も少しは出てくるかもしれないし、草の根で活動を支えてくれている主催者も少しばかり恩恵が受けられると思うのだが、そこを指摘する人がほとんどいないのがまた問題だ。

当の定額給付金の申請書は送ったし、使途はとっくに決まっている。というか、クレジット・カードで購入手続き済みで現在発送待ち状態。
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by kazuey1113 | 2009-03-28 20:23 | misc.

Jazz in Deutschland

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Jazz in Deutschlandと題した3枚組CDセット全4巻がBear Family Recordsから発売された。いづれもブックレット付。レーベルのHPはコチラ>>>

第1巻は「ケイク・ウォークからジャズ」、1899年から1932年までの貴重な録音。中には黒人レビュー、チョコレート・キディーズを率いたサム・ウッディングのオーケストラ、世界初の音大ジャズ科の生徒によるビッグ・バンド演奏なども収録されている。特に1枚目は録音は貴重だが、やはり聞いていて眠くなってしまった。しかし、これで昔の人はダンスしていたのだから…。第2巻は「スウィング時代」、ヒトラー政権下、また戦後のジャズ。ドイツ版スウィング・バンドの録音に交じってアデレイド・ホールの唄も。ナチスもジャズは止められなかった。第3巻は「新しい風」、デキシーランド・リバイバル、東独のモダンジャズ、(西)独のモダンジャズ。フランク・メービス、ルディ・マハールらのデァ・ローテ・ベライヒやニルス・ヴォグラムなど最近注目のミュージシャンの演奏も収録されている。第4巻は「ドイツにおけるジャズからドイツ・ジャズへ」、ギュンター・ハンペル・クインテットによる初期フリーからペーター・コヴァルト、ペーター・ブロッツマンなど、そしてルードヴィッヒ・ペトロフスキーなど旧東独のミュージシャンの演奏もあり、フリーでも東西の違いがわかるようになっている。また、ジャズ・ロック、アシッド・ジャズ、エスノ・ジャズ、NUジャズまでバラエティに富んだ内容。

クロノジカルに編集されたCDセットはいろいろ発売されているが、20世紀初頭のダンス音楽からフリー、現代までを網羅しているというのがスゴイ。日本ではまずこうはいかないだろう。ドイツ人ならではの生真面目さがこういう企画では効を奏しているな、と思った。ジャズという言葉で括られる音楽の広がりがわかって面白い。

いちまい、にまい、さんまいと仕事をしながらぼちぼち聴いている最中だ。第2巻まではそれも可能だったのだが、第4巻は仕事中のBGMにはなりそうもない、と思う。

ちなみに購入はレーベルHP(オンラインショップは英語あり)や独アマゾンで出来る。
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by kazuey1113 | 2009-03-25 21:31 | new release

アメリカから見た日本…

昨日CNNをつけたら、青木ヶ原の樹海が映っていたのでひどく驚いた。今アメリカで非難囂々になっている公的資金注入を受けたAIGが巨額のボーナスを幹部社員に支払った一件の絡みで、数日前に共和党のチャールズ・グラスリー上院議員が、日本の経営者は(事業に失敗したとき)謝罪する前に自殺するのが普通だとか言って物議をかもしだしたのだか、その言葉尻を捉えての自殺の名所の取材だったのだろう。とにかく呆れたが、彼らの日本にたいしての興味のありかたや認識なんていまだにそんなものなのだろう。

少し前にアカデミー賞の発表があり、『おくりびと』は外国語映画賞を受賞した。それ自体はめでたいことだったが、それにしても映画の内容云々以前に特異なテーマが審査員の興味を引いたのでは想像する。それは、和服姿でピアノを弾く若き日の穐吉敏子を好奇の目で見ていたアメリカ人の視線と大差ないような気がしてならない。

アカデミー賞といえば『スラムドッグ$ミリオネア』が8部門で受賞したが、インド人の知人はこの映画に対して大いなる不快感を表していた。「あんな映画が…」と。実際インドでは賛否両論とも。インド人がブツブツ言うのを聞きながら、『SAYURI』を観た時に感じた違和感を思いだした。和服の着付けは変だったし、おどり(日舞)は奇妙で、その内容も…。それがアメリカ人の日本、あるいはゲイシャに対するイメージなのだろう。彼らがどう見ているかということでは興味深くはあったが…。

そういえばアメリカ人が書いた日本のジャズについて書いた本にも違和感を覚えたことがあった。日本に何度かやってきて取材した上で書かれたものだったのだが。おそらくはその逆、日本人からみた他国・地域について書いたもの、描いたものもその土地の人にしてみれば変、ということもいろいろあるに違いない。

なかなか難しい問題である。だが、本当の意味での芸術・音楽に対する国際的な評価というのは、きっとそういったものを乗り越えたところにあると思う。
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by kazuey1113 | 2009-03-20 22:10 | misc.

All About Jazz Mobile

おそらく世界中で最もアクセス数の多いジャズサイトAll About Jazzがモバイルサイトを開設した。CDレビュー他の記事が読めるだけではなく、音楽ダウンロード、またラジオ局、フェスティヴァル、ジャズクラブへのリンクが簡単に出来るようになっているので便利だ。各地のライブ情報を得られるローカル・カレンダーのアメリカ以外の情報はまだごく僅かだが、今後充実してくと思われる。それについてのAll About Jazzの記事はコチラ>>>

All About Jazz Mobileはコチラ>>>

日本のモバイル専用サイトと違ってパソコンからでもアクセスできる。レビューやニュースなどの記事は広告なしのシンプルなテキストで読めるので、これからはこっちにアクセスしようかなと邪道な使い方を考えている。

日本のミュージシャン、音楽関係者から音楽ダウンロードに対する否定的な考えを聞くことも少なくない。よい音で聴いてほしい、パッケージとしてのCDを尊重してほしいという気持ちはよくわかる。私自身、イヤフォンで音楽を聴くのは大嫌い、しかもながら聴きは駄目なのでウォークマンで音楽を聴くことはなかったし、iPodは持っているがこれまた邪道な使い方をしているような人間だ。反面、新しいもの好きでもある。やはり、確実に進化しているテクノロジーは利用すべきだし、時代の感性にあった新しいメディアの活用法はどんどん模索されてしかるべきものと思う。旧来のメディアにしても付加価値を高めることが必要となってきている。それらをどう活用していくかこそが制作側には問われているのだ。それを買う買わない、利用するしないは、購買者・利用者の好き嫌いによるものだし、それは多様化しているのだから。
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by kazuey1113 | 2009-03-20 13:26 | informaion

le Siecle du Jazz

パリのケ・ブランリ美術館でle Siecle du Jazz(ジャズの世紀)と題した展示会が3月17日から6月28日まで開催される。プリジャズから現代まで、ヨーロッパのジャズエイジやフリージャズ・ムーヴメントなども含めて、ジャズに関係のある写真、イラスト、美術作品等がサウンド&ビデオ・クリップも含め数多く展示される。また、期間中は幾つかの関連企画も行われるもよう。展示会の内容はケ・ブランリ美術館のHP(英語あり)に詳しい。

ケ・ブランリ美術館のHP(英語)はコチラ>>>

Le Mondeの紹介記事はコチラ>>>

Le Mondeのこちらのページでは一部の展示品も観ることが出来る。キース・へリングによるポスターやアンディ・ウォーホルが描いたLPジャケット、またスイスのヴィルソージャズ祭のポスターも。ヴィルソージャズ祭の主催者のニクラス・トロクスラーの本業はデザイナーでその世界では著名な人物だ。
コチラ>>>

美術館のHPに嵌め込まれているビデオクリップはなぜかキャブ・キャロウェイの≪ミニー・ザ・ムーチャー≫。日本でモダンジャズに比べてビバップ以前のジャズが話題に上ることは少ないが、この時代のハーレムのジャズは楽しい。ファッツ・ウォーラーにしてもそのエンターティメント性も芸術性も過小評価だな、と時々思う。
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by kazuey1113 | 2009-03-18 07:47 | informaion

Point of Departure Issue 21

オンライン・ジャーナルPoint of Departure Issue 21がアップされている。

トップの編集長ビル・シューメイカーのコラムは昨年12月29日に70歳で亡くなったフレディ・ハバード追悼。表紙はジョン・ブッチャー、ビル・シューメイカーのもうひとつのコラムEzz-theticsでもジョン・ブッチャーを取り上げている。また、フランチェスコ・マルティネリのコラムEuropean Proposalsはジョエル・レアンドレ。CDレビューMoment's Noticeでもアメリカのオンライン・ジャーナルながら、ヨーロッパのジャズ・即興音楽も多く取り上げている。日本で紹介されることの少ないアルバムが多く、CDリリース情報としても有用なので、英文レビューを読むのが面倒な人も取り敢えずタイトルチェックだけでもしてみてはどうだろう。

Point of Departureはコチラ>>>
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by kazuey1113 | 2009-03-15 12:37 | informaion
2月にヨーロッパをツアーした高瀬アキ&ルイ・スクラヴィスDUO。カールスルーエでのライブがドイツの放送局SWR2で3月24日21時03分から22時(日本時間3月25日5時03分から6時)にかけてオンエアされる。

SWRのサイトはコチラ>>>
左側のProgrammの下にWebradio hoerenというタブがあるのでそこをクリック。

7月の高瀬アキ&ルイ・スクラヴィスDUOの日本ツアースケジュールは;
コチラ>>>

2月にこのデュオで録音も行われ、CDはIntakt Recordsから秋に発売されるだが、日本のみツアー時に先行発売される予定!!!
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by kazuey1113 | 2009-03-14 18:08 | informaion