横井一江のブログ "jazz,improvised music...and beyond"


by kazuey1113

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UNTERHOERT!を観るためにチューリッヒへ。音楽の前に中央駅で見つけたのは、宙に浮かぶニキ・ド・サンファルのオブジェ。彼女の夫のジャン・ティンゲリーのキネティック・アートも近くのチューリッヒホルンにあるが、動かすのは日曜日の11時から12時までの1時間だけとか。(註:スイス人の近くは徒歩30分ぐらいまでを言うらしい)


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チューリッヒに行ったらダダ発祥の地?キャバレー・ボルテール跡に行きたいとずっと思っていた。しかし、シュピーゲルガッセは旧市街にあると教えてもらったもののどうやって行くのかと悩んでいたら、連れていってもらえることになった。そこから100Mも離れていないところに、時期を同じくしてレーニンも住んでいた(写真右)。フーゴー・バルやトリスタン・ツァラとの接点はあったのだろうか。否応なしに想像は膨らむ。なぜなら、どちらも「前衛」だったからである。帰国後、それについて書かれた本『レーニン・ダダ』ドミニク・ノゲーズ著/鈴村和成訳(ダゲレオ出版)を読んだ。面白い。

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建物にあったプレートは、2002年2月5日から4月2日まで再開されたというR.I.P.だった。




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2004年9月30日キャバレー・ヴォルテールの名でカフェ・バーとして再オープン。訪れた時は閉まっていたが、イベント等も行われているようだ。再開に至るまでいろいろあったようだが、もはやここはキャバレー・ヴォルテール”跡”ではなかった。
HPはコチラ>>>
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by kazuey1113 | 2007-11-27 14:28 | misc.

UNERHOERT! 2007

c0098087_9501370.jpg近年ヨーロッパでは、ベルリンジャズ祭のような伝統在るフェスティヴァルの影響力が低下している一方、中小規模のフェスティヴァルが頑張っている。そのようなフェスティヴァルのひとつUNERHOERT! がチューリッヒで11月22日から28日まで開催される。去年から主催者のひとりパトリック・ランドルトに誘われていたこともあり、一度出かけてみることにした。欧米のベテラン勢が多く出演するだけではなく、ベテランと若手が共演するプロジェクトや地元スイスの若手も。プログラムはコチラ>>>

スイスは北欧に次いでミュージシャンへサポートがもらいやすい国だが、チューリッヒ市では新年度予算でクラブMoodsへの助成金の増額やFabrikjazzのコンサート・シリーズ、またチューリッヒ・ジャズ・オーケストラへの助成を決定した。クラシック・現代音楽に比べると微々たる金額だが、このことが音楽シーンの活性化に繋がることを期待しよう。地元新聞の記事はコチラ>>>
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by kazuey1113 | 2007-11-21 09:47 | informaion
c0098087_19535445.jpg詩人白石かずこが、交友があった詩人達のポートレイトをその詩と共にエッセイとして『るしおる』に断続的に綴った15編が一冊の本『詩の風景・詩人の肖像』(書肆山田)になった。登場するのはアレン・ギンズバーグのように一般にも広く知られている詩人から日本ではまだ本格的に紹介されていない詩人も。しかし、ここに登場するのは詩人の中の詩人、ホンモノの詩人達である。彼らは単に書斎や象牙の塔の中で自らのレトリックに耽溺するのではなく、それぞれが抱える現実の中で詩作し続けた「こんにちのユリシーズ」だ。その人生はドラマティックで、映画や小説より奇なり、であるが、どこかズシンと重たいものが心に残る。エッセイとして読むもよし、またアンソロジーとして読むもよし。最大の理解者が書いた文章は、その詩的世界と詩人の肖像を行き来しつつ、それらを繋ぎ、コトバにいっそうのリアリティを付与する。詩とは、詩人とは、そのコトバと生を伝える珠玉の一冊である。

出会いをもたらしたのは旅である。大御所となった今も世界各地の詩祭に招かれては出かけているという。白石自身の詩作はまだまだ現在進行形である。また、白石かずこはジャズ・ミュージシャンとのとのポエトリー・リーディングでは草分け的存在。最後の「あとがきに代えて」ではその話もちらっと出てくるのが彼女らしい。
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by kazuey1113 | 2007-11-19 20:22 | informaion

佐藤允彦『如是我聞』

c0098087_2054783.jpg如是我聞、「我かくのごとく聞く」とは、経典の最初に書かれている言葉。佐藤自身が書いているノーツによると「釈尊の説法を、弟子とその系譜に連なる人たちが、各自解釈して経文にするときに使った言葉」だという。連綿と今日まで伝わってきた経典も「如是我聞」と次なる人へ伝えようとした人あればこそ。

『如是我聞』(おーらいレコード)は、禅寺とその境内の佇まいに身を置いたイメージをピアノで表現したという作品。一種水墨画のようなモノクロームの濃淡の中に、その情景が静かに立ち上がる。フィロソフィカルで奥深い精神世界、そして自然観が重なる。緩急自在にして、「墨に百色あり」というよう色調を変化させるピアノに、採取されたサウンドスコープが重ねられ、あたかもその環境に身を置いて演奏を聞いているような心持ちになる。

このアルバムは故富樫雅彦に捧げられている。

故富樫雅彦歓送会は、新宿ピットインで12月8日(土)9日(日)に行われる。詳しくはコチラ>>>
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by kazuey1113 | 2007-11-18 22:51 | new release
c0098087_1938673.jpg「笑える日米文化批評集」というサブタイトルそのまんまの本!読み終わるまで、何度笑ったことか。お腹がよじれたり、顔を歪めて苦笑したり。あーあ、面白かった!
オヤジの戯言なのだが、とてもジャズ的である。餌食(=テーマ)となる言葉から、絶妙なテンポとウイットに富んだ語り口で、自らの体験を元に(日米)社会時評に発展させる手腕はお見事。前書きに「不良学者の無駄な時間の産物」とあるが、無駄な時間なくして芸術も批評も生まれないなどと呟きながら、それを口実に机の上に貯まっている仕事を放ったまま、あっという間に読んでしまった!
戦後日本のジャズ文化』(青土社)をブレイクさせた学者兼ローカル・ピアニストの最新エッセイ集。人を笑わせるのも文化なり・・・

中公新書ラクレより出版。出版社HPはコチラ>>>
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by kazuey1113 | 2007-11-14 20:19 | informaion
イタリアでjazzColo[u]rsという“email-zine”が発行されていることを知る。これは定期購読申込みをするとPDFファイルが送られてきて、読み手はそのままディスプレイ上で読んでもいいし、プリントアウトして読んでもいいというもの。12ヶ月で15ユーロだから、印刷媒体よりかなり安い。まだ10号だから今年スタートしたばかり。今やWeb magazine/Online journalは世界各国いろいろあるが、“email-zine”という発行形態に出会ったのは初めて。
jazzColo[u]rsのHPはコチラ>>>

また、All About Jazzのように定期的に記事をまとめてタブロイド・ペーパー(無料)としてジャズクラブに置くようになった媒体もある。ただしニューヨーク版のみ。これもPDFでダウンロードできる。

コロンビア大学でのコンファレンスで会ったキリル・モシュコウさんがやっているロシアのJazz.RuもWeb Magazineからスタートして、プリント版ジャズ雑誌『Jazz.Ru』を発行するようになった。ネットでは、ロシア語版には劣るが英語版もあって、貴重な情報を得ることができる。

やはり記事を読むには印刷媒体のほうが読みやすいということか。音楽情報を扱うメディアも過渡期で、インターネット・メディアも印刷媒体も試行錯誤の真っ最中。そんな中で、日本のジャズ・ジャーナリズムはかなり情けない状態と思っているのは私だけだろうか。
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by kazuey1113 | 2007-11-12 19:57 | informaion
昨日は冷たい雨にも関わらず「いーぐる」での下記帰朝報告会にご来場頂いた皆様、どうもありがとうございました!!!

ジャズならびにその延長線上にある即興音楽、またそれを取り巻く(特に日本の)音楽ジャーナリズムに危機感を抱いているのは自分だけじゃないということがわかっただけでも大きな収穫でした。MIXI、個人ブログも含めネット上では情報が溢れ、その遍在化と偏在化が急速に進む時代であるからこそ、音楽ジャーナリズムに関わる人間の役割も重要になっていると思われます。それを踏まえた上で今後も仕事をしていけるのなら幸いと考えております。

後日、web magazine "jazztokyo"にマジメなNYC報告の本編をアップする予定でおりますので、こちらもどうぞよろしくお願いいたします。
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by kazuey1113 | 2007-11-11 19:15 | misc.
NYC報告を下記のとおり行います。

Jazz in the Global Imagination
~国際ジャズ・ジャーナリスト会議に出席して
   コロンビア大学、そしてハーレム~


10月1日10月4日のブログで少し書きましたが、コロンビア大学ジャズ研究センター主催で開催された「Columbia/Harlem Festival of Global Jazz」と題したフェスティバルの一環としてThe Jazz Journalist Association(JJA)の協力の下で行われた国際ジャズ・ジャーナリスト会議の報告とコロンビア大学に隣接するハーレムに足を踏み入れて思ったこと、時間が許せばジャズ・ジャーナリズムなどに対する私感を述べたいと思います。

日時:11月10日(土)午後4時~
場所:いーぐる
料金:400円+飲食代


ご来場お待ちしております!!!
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by kazuey1113 | 2007-11-10 16:00 | informaion
世界的ジョン・コルトレーン研究家である藤岡靖洋著『The John Coltrane Reference』(第2版)がニューヨークのRoutledge出版から11月に刊行される。1995年にラッガース大学ジャズ研究所の“ジャズの研究”シリーズ第20巻目の書物として出版された『John Coltrane / A Discography and Musical Biography』の改訂増補版の年代記とディスコグラフィだが、英文800ページを超える大著。また、そのコレクションの一部はコルトレーンが少年時代を過ごしたノースカロライナ州ハイポイント市の市立博物館に寄贈・展示されているそうだ。

現在、藤岡氏はニューヨーク州ロングアイランドのハンティントン・ディックス・ヒルズに在る歴史的建造物に指定されものの資金不足からその保存が危うくなっている『コルトレーン・ホーム』保存役員として、その救済募金活動に力を入れている。
詳しくはコチラ>>>

どこで情報を見つけたのかコロンビア大学のコンファレンスの会場に突然現れた藤岡氏。なんと25年ぶりの再会。コルトレーン研究家として、欧米にもまめに足を運びながら精力的に活動しているご様子。本業は大阪の呉服店店主だけに和装でした。

出版は予定より遅れて12月26日頃とのこと。
AmazonはまだだがBarns&Nobleで予約できる。コチラ>>>
またRoutledge出版のサイトでも予約できる。コチラ>>>
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by kazuey1113 | 2007-11-08 19:25 | informaion
c0098087_8262785.jpgベテラン片山広明が『dust off』を地底レコードからリリース。昨年、渋さ知らズを従えて『katayama hiroaki with shibusashirazu』を出している片山、ジャケットはクールに決めた前作とは対照的。今回はカルテット編成ながらも共演者は不破大輔、立花秀樹、磯部潤といった渋さ知らズのメンバー達。渋さの轟音のなかでも片山のサックスはそれとわかるから不思議。パワープレイの雄だが、そのサウンドにはある種のドラマが内包されているようにふと感じる時がある。本作では片山の本懐ともいえるブローとそれに立ち向かうアルトサックスの立花のプレイが聴きどころ。ベーシスト!不破、また磯部も好演。地底レコードならではの作品である。

現在、レコ発ライブツアー中。詳しくはコチラ>>>
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by kazuey1113 | 2007-11-07 08:37 | new release