横井一江のブログ "jazz,improvised music...and beyond"


by kazuey1113

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c0098087_20123974.jpg現在来日中のアクセル・ドゥナー。日本では主に実験的即興演奏で知られているが、ジャズ・トランペッターとしても並ならぬ才を持つ。先日の井野信義@新宿ピットイン2daysでは、ジャズ的でリリカルなトランペット・プレイから実験的即興演奏をひとつのライブで披露/同居させるというチャレンジャブルなことをやってのけていた。そのドゥナーが、ベルリンに移住した90年代半ばに、高瀬アキとの共演で知られるルディ・マハールらと結成したのが、Die Enttaeschung。「失望」という名のバンドだ。ジャズ界でも世界的に注目を集めた重鎮アレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハの『モンクス・カジノ』も彼らとの出会いがあったからこそ生まれたプロジェクトなのだ。ただし、今回リリースされた『Die Enttaeschung』(Intakt CD 125)はモンクではなく彼らのオリジナル曲。それだけにそれぞれの個性とジャズとの繋がりがダイレクトに見えてくるから面白い。

CD Review @jazztokyoコチラ>>>
Intakt RecordsのHPからも直接購入できる。
詳しくはHPで:http://www.intaktrec.ch/

アクセル・ドゥナーには昨日話しを聞くことが出来た。テープ起こしもまだだが、いずれインタビューも掲載する予定。ジャズとの出会い、「失望」バンドのことから、実験的即興演奏、またヴァンデルヴァイザー出版の話しも。もう少々お待ち下さい。
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by kazuey1113 | 2007-07-30 20:28 | new release
c0098087_21143969.jpg国書刊行会というとセリーヌ全集とか幻想文学を出版しているオカタイ出版社だとずっと思っていた。そこから音楽本、しかも平岡正明の本が、それもコルトレーンの命日に世に出されるとは。それもこれもユリイカ2007年2月号『特集・戦後日本のジャズ文化』の編集者であった萩原玲子さんが国書刊行会に入社したから、だった。しかし、少なくとも『毒血と薔薇』というタイトルと装丁は、この出版社にふさわしいな、とも思う。澁澤龍彦の著書と言われても納得しそうなタイトルだが、なるほど『血と薔薇』と繋がっていたのか。

平岡正明というと遠い昔、『ジャズ宣言』や『ジャズの他に神はなし』に目を通した記憶がある。植草甚一は好きだったが、日本人のジャズ評論家が書く本はたいがいつまらないので元来読まなかったから、油井正一の本などと共に日本人の書いたジャズ本の中で読んだ数少ない本の中にはいるのだろう。

『毒血と薔薇』はジャズ論集だが、なんといっても書き下ろしの表題作に限る。それはコルトレーン論なのだが、桂枝雀の世界と絡みあい、縒り合わされていく。「毒血と薔薇」というタイトルとコルトレーンと枝雀、その組み合わせの妙。それがしっくり嵌っているのだ。独特の語り口、リズム感、切れ味といい、平岡正明節大いに健在である。その強靱な筆力衰えを知らず、というところか。趣味嗜好は違うし、好みの文体というわけでもなく、異論、反論もちろんある筈なのだが、不思議とイッキに読んでしまった。少なくとも70年代を知るものとしては、時代の感性を逆回しにされた気分である。男気を感じさせる文章を書く音楽評論家などもはや絶滅危惧種だ。その気骨ある文体がなんとも懐かしい。

かつて、ン十年前はあちこちのジャズ喫茶で7月17日にはジョン・コルトレーンのLPをかけていた。それも遠い昔である。その日はコルトレーンの命日であるだけではなく、ビリー・ホリデイの命日でもあることを付記しておこう。
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by kazuey1113 | 2007-07-24 22:28 | informaion
ベルリンを拠点に世界的に活躍しているピアニスト高瀬アキが10月から11月にかけて帰国。毎年恒例となった作家多和田葉子とのシアターΧでの公演の他、井野信義らと日本を国内とツアーする。

詳しい情報はコチラ>>>
↑公演情報は新しい情報が入り次第随時更新される予定
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by kazuey1113 | 2007-07-22 20:09 | informaion

訃報:高田和子さん

c0098087_1571719.jpg邦楽演奏家(三弦、うた)の高田和子さんが脊髄腫瘍のため亡くなった。56歳。一柳慧などの作曲家の作品を委嘱初演。1999年には高橋悠治プロデュース・伝統楽器グループ「」を結成、三絃とうたの可能性を追求していた。

写真はスーパーデラックスの前身で麻布十番にあったデラックスで2001年に行われたデラックス・インプロヴィゼイション・フェステヴァルで高橋悠治、斉藤徹、ブレット・ラーナーと出演した時に撮影したもの。ご冥福を祈ります。

朝日新聞の記事はコチラ>>>
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by kazuey1113 | 2007-07-21 15:22 | obituary
2005年にスイス大使館との共催でスタートした横濱インプロ音楽祭。今秋も10月1日(月)から8日(月・祭)にかけて、エアジン横浜バロック関内サロンの2会場で開催される。出演する国内外のミュージシャンのラインナップもほぼ決定。斎藤徹今井和雄ジャズトリオ、金剛督さがゆき渋さ知らズONNYKトリオなどの他、スイスから来日するDAY&TAXIコッホ-シュッツ-シュトゥーダーが出演。今回は横浜バロック合奏団による室内楽の演奏もある。

詳しくはコチラ>>>

参考記事:第一回横濱インプロ音楽祭のレポートはコチラ>>>

蛇足:ちなみに私のネームカードに写真代わりに貼り付けてあるCDジャケットはDAY&TAXIのもの。
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by kazuey1113 | 2007-07-21 00:13 | informaion
c0098087_21452390.jpgスイスのハードコア・インプロ/エレクトロ・ジャズ・トリオ、「コッホ-シュッツ-シュトゥーダー」
が10月に再来日。ハンス・コッホ(reeds, electronics)、マーティン・シュッツ(electric 5-string cello, electronics)、フレディ・スチューダー(ds,per)の3人は、スイスで2005年9月1日から9月30日まで30日間に渡って即興演奏のマラソン・ライヴも行ったという強者。そのマラソン・ライブの様子を捉えたフィルムはDVD化され、Intakt Recordsから『Koch – Schuetz - Studer / Hardcore Chambermusic A Film by Peter Liecht 』(INTAKT DVD131)としてリリースされている。

今回の来日では、スーパーデラックスで「スイス・ハードコア7色」と題して10月1日から7日まで1週間に渡って、前回来日時にも共演した渋さ知らズ、他にヒカシュー、八木美知依ら全く異なった個性を持つミュージシャンと日替わりでセッションする予定。また、横濱ジャズプロムナードと同時期に開催されている「横濱インプロ音楽祭 '07 <秋>」にも出演する。

10月1日(月)~7日(日) 「スイス・ハードコア7色」 東京 スーパーデラックス
10月8日(月・祭) 横濱インプロ音楽祭 '07 <秋>@エアジン

横濱インプロ音楽祭 '07 <秋>についての情報はコチラ >>>

詳細は追って掲載する予定。
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by kazuey1113 | 2007-07-20 21:53 | informaion
c0098087_2113157.jpgc0098087_20583865.jpg藤井郷子と田村夏樹は、『Satoko Fujii Min-Yoh Ensemble/風神雷神』(VICTO)と『ダブルデュオ/クロスワードパズル』(LIBRA:7月25日発売)を相次いでリリース。
『風神雷神』は、藤井が日本の民謡を本質的なところで問い返し、現代の感性で捉え直した大変興味深い作品。ただし、伝統曲は最初と最後のトラックの2曲のみで、他は藤井のオリジナル。音楽形式としての民謡、或いは民謡の持つ音楽要素を援用することはありがちだが、その根幹にまで立ち入って再検証した上で、自身のサウンドとして表出させようと試みる音楽家は希だ。民謡のもつ独特の風合いと奥行きが、自在な表現の中からそのスピリットとともに立ち上がる。その開かれた世界は、民謡と対峙するココロのありかたゆえ。そのスタンスに共感を覚える。カナダのヴィクトリアヴィルでのフェスティヴァルで実現したプロジェクトだが、日本でも再演してほしい。
『クロスワードパズル』では、アンジェロ・フェルブルーヘン(tp)とミシャ・メンゲルベルク(p)、田村(tp)と藤井(p)の二つのデュオの共演。まさにタイトルそのものの世界で、果たしてどのような組み合わせで、誰がどの音を出しているのか、ただただ想像力逞しく聴くのみ。この組み合わせは、ダブル・ピアノとダブル・トランペットの共演とも言い換えることができる。2×2ならではの重層的な即興演奏は、思った以上に面白かった。ちなみに解答はどこにもクレジットされていない。果たして、私の予想は大当たりなのか大ハズレだったのか・・・

藤井と田村がアメリカから帰国し、活動の拠点を東京に移してもう10年になる。今秋、それを記念するコンサートも企画しているというからこちらも楽しみだ。
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by kazuey1113 | 2007-07-17 22:01 | new release
c0098087_19471123.jpgヨーロッパの現代ジャズ・即興音楽シーンで最も独創的かつ実験的なトランペッター、アクセル・ドゥナーが来日し、各地で演奏する。ドゥナーは、ルディ・マハールらとのグループ“ディー・エイントイシュング”、アレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハのプロジェクト「モンクス・カジノ」及び「グローブ・ユニティ」のメンバーであり、大友良英ニュー・ジャズ・オーケストラにも参加する他、実験的な即興音楽の現場で活躍している。「現代のジャズと即興音楽を切り開く独自の発想の豊かさが、新しい展望の星である」と南西ドイツ放送協会(SWR)による2006年度SWRジャズ賞(SWR JAZZPREIS 2006)を受賞するなどその評価は非常に高い。今回の来日では、ジャズ・即興音楽・実験音楽を自在に行き来するドゥナーのさまざまな音楽的側面をそれぞれの異なったセッション、プロジェクトで体験できるだろう。

7月26日(木) 大阪 FUKUGAN GALLERY
共演:江崎將史(tp) 古池寿浩(tb) 宇波拓(g)
7月27日(金)東京 新宿ピットイン井野信義2days
共演:井野信義(b)田村夏樹(tp) 藤原大輔(sax)
7月28日(土)東京 新宿ピットイン井野信義2days
共演:井野信義(b)田村夏樹(tp) 千野秀一(p) 今井和雄(g)
8月3日(金)東京 新宿ピットイン
大友良英ニュー・ジャズ・オーケストラ
8月4日(土)東京 新宿ピットイン(昼の部)
共演:Sachiko M(signwave)大蔵雅彦(as,bcl,tube)
8月4日(土)東京 新宿ピットイン
大友良英ニュー・ジャズ・オーケストラ
8月5日(日)東京 Loop Line
共演:杉本拓(g) 大蔵雅彦(sax) 宇波拓(g)
8月11日(土)札幌 (未定)
共演:宇波拓(g)
8月13日(月)東京 キッド・アイラック・アート・ホール
共演:江崎將史(tp) 古池寿浩(tb) 中尾勘二(g)

近作『vorhernach/アクセル・ドゥナー&中村としまる』のCD Reviewは
コチラ>>>

写真:横井一江 (JazzFest Berlin2006にグローブ・ユニティのメンバーとして出演時撮影したもの)
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by kazuey1113 | 2007-07-14 20:03 | informaion
15年ぶり来日のエグベルト・ジスモンチ。8月20日の公演は完売、追加公演が決定した。
8月21日(火) 草月ホール
詳しくはコチラ>>>
*現在、優先先行予約を受け付けている。(7月12日(木)午前9:00迄)
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by kazuey1113 | 2007-07-10 07:16 | informaion

JJA JAZZ AWARD2007

The Jazz Journalist AssociationのJAZZ AWARD 2007が6月28日に発表された。特別功労賞、最優秀コンポーザー、最優秀ピアニストを故アンドリュー・ヒル、年間最優秀ミュージシャン、最優秀アルバム、最優秀アルトサックス奏者、最優秀スモール・アンサンブル・グループの4部門をオーネット・コールマンが受賞。オーネット・コールマンは昨年グラミー賞の特別功労賞、今年4月にはピューリッツァー賞音楽賞を受賞しており、すっかり時の人だ。最優秀トランペット奏者は今年もデイヴ・ダグラス、最優秀テナーサックス奏者はソニー・ロリンズなどベテラン勢の多く受賞している。最優秀イベント・プロデューサーに有名な冠付フェスティヴァルではなくヴィジョン・フェスティヴァルのプロデューサーが選ばれているところが興味深い。また、ノミネートまで見るとソプラノサックス部門には昨年同様エヴァン・パーカー、ドラマー部門にはハン・ベニンクの名前が挙がっていた。この辺りが、日本とは全然違うと思う。AWARDは、会員がそれぞれの部門にノミネートし、さらにそれぞれの部門の上位5名から会員が1名を選び投票するという2段階を経て選出されるが、会員の多くはアメリカ人なので、現在アメリカの関係者はどのようにシーンを捉えているのかが垣間見えてくる。

詳しくはコチラ>>>
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by kazuey1113 | 2007-07-02 21:52 | informaion