横井一江のブログ "jazz,improvised music...and beyond"


by kazuey1113

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今年2月ベルリンで行われたコンサートで、ヨアヒム・キューン&ルイ・スクラヴィスのデュオが実現。その模様がベルリンのKulturradioの番組「LATE NIGHT JAZZ」で、5月5日23:04から0:00まで(日本時間5月6日6:04から7:00まで)オンエアされ、同時にストリーミング配信される。ラジオフランスと違いKulturradioはライブ・ストリーミングのみなので聴きたい方はご注意を。

コチラ>>> 左側の一番下にあるLive streamをクリック。

ヨアヒム・キューンは日本の音楽メディアでは滅多に紹介されないが、ドイツの大ベテラン・ピアニスト。60年代にセシル・テイラーの影響を受けてフリーへ傾倒、その後独自の道を歩んだ。今や時の人であるオーネット・コールマンとの共演盤もある。他方のルイ・スクラヴィスはヨーロッパでも屈指のクラリネット・サックス奏者で、国内盤も出たアフリカン・トリオ、Big Napoliなどのユニットなどで活躍しているが、ピアニストとのデュオは大変珍しい。昨年5月の高瀬アキとのデュオ・コンサート以来ではないだろうか。
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by kazuey1113 | 2007-04-28 10:17 | informaion

フィリップ・カルル

フィリップ・カルルはフランスのジャズ評論家。日本でよく知られている著書は『ジャズ・フリー』(晶文社 ジャン=ルイ・コモリとの共著)ぐらいだが、ジャズ・マガジン編集長も務めている重鎮である。カルルはラジオフランスに番組を持っているが、さる人のページで知ったその最新のストリーミングを聴いて感心した。フランス大統領選挙の決選投票を5月6日に控えたフランスだが、こういうコミットメントの仕方もあるのかと。ビック・ビル・ブルーンジー、デューク・エリントンからフランソワ・テュスク、イヴ・ロベールまで、この絶妙な選曲は、古のジャズ、ブルースから現代のコンテンポラリーなものまで知っている彼ならではのもの。そこに彼の政治的スタンスが明確に現れているのがスゴイ。膨大なレコーディングの中からよく見つけてきたものだと感心するばかり。政治を音楽で語ることには必ずしも賛成はしないが、音楽は政治とは無縁ではない。ましてやヨーロッパでは。日本でも市場経済はインデペンデントなアート・シーンに忍び寄っており、ジェントリフィケーションはクリエィテヴなアーティストの居場所を奪おうとしている。統一地方選挙の前にこれを知るべきだったのか。我々はあまりにも政治や社会に無関心ではないのか、と。アルバート・アイラーの叫びに今またリアリティを見いだし、ブリジット・フォンテーヌの抒情的な中に過激さを秘めた声に再び観応し、ジプシーであるジャンゴ・ラインハルトの《La Marseillaise》を深読みする。

興味のある人はコチラ
(フランス時間4月28日=日本時間4月29日早朝まで聞ける筈)
プレイリストはコチラ

イスラエルの詩人イェフダ・アミハイはこう言った。
「わたしは、いわゆる政治的にコミットしている詩と、そうでない詩をわけることはしません。どんな詩も政治的です。たとえ詩を書くために、いわゆる象牙の塔に逃げ込んだとしても、それもひとつの政治態度の表明です。それは「わたしは関心がない」ということで、関心がないということもまた、政治的です。人生には中立などというものはありません。良いか、悪いかは別にして、中立も政治的態度の表明です」。
(1993年来日時の「詩の朗読の夕べ」での質疑応答から。日本語訳は『へるめす1993 No.44』による)
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by kazuey1113 | 2007-04-26 20:05 | column
c0098087_21464374.jpg現在「PRIMAVERA ITALIANA イタリアの春・2007」が開催されている。2001年のイタリア年の時は、イタリアン・インスタビレ・オーケストラ(IIO)やジョルジォ・ガスリーニなどイタリアのトップ・ミュージシャンが来日し、それぞれ本当にクリエィテヴで素晴らしい演奏を聴くことが出来た。その時、IIOの来日実現にひとかたならぬ尽力をしたのがIIOのメンバーでもあるカルロ・アクティス・ダト。その彼がアクティス・バンドでCDをリリース。他にもいろいろなプロジェクトで相変わらず八面六臂の活動をしている様子。一時毎年のように来日していたが、しばらくご無沙汰。また日本に来てほしいものだ。

Disk review@jazztokyoコチラ
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by kazuey1113 | 2007-04-24 21:50 | new release

「渋さ」系

c0098087_21135254.jpgc0098087_21162697.jpg今や世界中のジャズ祭からオファーが来る「渋さ知らズ」。その演奏を十数前から紹介し続けてきた地底レコードから4月15日に『ナポリタン/川下直広トリオ』(地底レコードB39F)がリリース。「フェダイン」や「渋さ知らズ」などで20年以上も活動を共にしてきた川下直広と不破大輔が、ドラマー岡村太を迎えて新たに結成したトリオの録音だ。川下ならではのウタゴゴロ溢れるテナー、彼のようにソウルフルなサックス奏者は日本では珍しい。中村とうよう流に言えば「大衆音楽としてのジャズ」のスピリットを引き継ぐもの。トリオの演奏の核にあるのはウタであり、「渋さ知らズ」の原点を感じさせる作品。
詳しくは地底レコードのHPで

「渋さ知らズ」、「藤井郷子オーケストラ」のメンバーとして活躍している泉邦宏も自身のキタカラレコードからCD『ゴー!ゴー!ジャンボマン!』を4月22日にリリース。ソロ作品ながら、サックスに多重録音でドラムス、パーカッションなどのサウンドを重ね、そのユニークなキャラクターそのままにうたい、フリー・インプロヴァイズした作品。ジャケットのイラストも泉邦宏のキャラクターを上手く捉えていて、面白い。
詳しくはキタカラレコードのHPで:
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by kazuey1113 | 2007-04-24 21:29 | new release
アンドリュー・ヒル(p, comp)がアメリカ東部時間4月20日午前4時に亡くなったとの報が入った。肺癌と診断され、この数年闘病中だった。1931年6月30日シカゴ生まれ、享年75歳(*)。50年代の『So In Love』(Warwick)から2006年の『Time Lines』 (Blue Note)まで多くの録音がある。 日本では『Black Fire』(Blue Note)、『Spiral』(Freedom)、『オマージュ』(イースト・ウインド)などのリーダー作で知られるが、私的には60年代のジョー・ヘンダーソン、エリック・ドルフィー、ボビー・ハッチャーソン、サム・リバースらとの演奏が忘れがたい。作曲家としての評価も高かった。the Jazz Journalists Associationの年間最優秀作曲家賞を4回、2003年にはデンマークのJazzPar Awardなどを受賞。4月11日にバークリー音楽大学が名誉博士号を授与すると発表があったばかり。極めてオリジナルで類い希な個性を持つミュージシャンだった。合掌。

* 日本では1937年生まれとされてきたが、JJA会長ハワード・マンデル氏からのメールでは1931年となっていた。All About Jazzにそれが掲載されている。
コチラ>>>
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by kazuey1113 | 2007-04-21 13:14 | obituary
c0098087_21315884.jpg昨年、グラミー賞の特別功労賞を受賞したオーネット・コールマンが、ピューリッツァー賞音楽賞を受賞することが決定したことをJazzinstitut Darmstadtからのニュースレターで知った。受賞対象はCD『Sound Grammer』。日本ではジャーナリストへ送られる賞として有名なピューリッツァー賞だが音楽部門もあり、ジャズ・ミュージシャンではウイントン・マルサリスに次ぐ二人目の受賞者になる。

ピューリッツァー賞のHPはコチラ
サンフランシスコ・クロニクルの記事はコチラ
ワシントンポストの記事はコチラ

蛇足であるが、ベルリン在住の高瀬アキは初期オーネット・コールマン作品に若き女性サックス奏者ジルケ・エバーハルトとのデュオで取り組んでいる。年内にはCDもリリース予定とか。これもまた楽しみである。
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by kazuey1113 | 2007-04-20 21:24 | informaion
ブラジルを代表する女性歌手マリーザ・モンチが15年ぶりに来日。坂本龍一、アート・リンゼイ、ナナ・ヴァスコンセロス、ジョン・ゾーン、ローリー・アンダーソンなどと共演、ブラジルの伝統曲からガーシュイン、ブレヒトまで歌う幅の広さ、類い希な歌唱力で、彼女は世界的に注目を集めている。

それに先立ち、映画「モロ・ノ・ブラジル」でもフィーチャーをされていた、ブラジル北東部(ペルナンブーコ)を代表する気鋭のシンガー、シルベリオ・ペソーアも来日する。現在のブラジルを体現するアーティストに触れるまたとない機会だ。

シリベリオ・ペソーア
5月2日(水)5月3日(木) 六本木ヒルズアリーナ 

マリーザ・モンチ
5月29日(火)5月30日(水) Bunkamuraオーチャードホール

詳しくはコチラ
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by kazuey1113 | 2007-04-20 21:07 | informaion

ロシア・ジャズ&...

『ロシア・ジャズ 寒い国の熱い音楽』の著者であり、ロシア東欧のジャズの研究では第一人者の鈴木正美(新潟大学教授)がナビゲートするイベント「ロシア・ジャズ再考」がスタートする。ゲストは、元ジャズ批評編集長でロシア・東欧のジャズを語らせたら右に出る者はいない岡島豊樹。ジャズ・ブラート(兄弟)による今までにない音楽講座だ。第1回では1990年ロシア、アルハンゲリスクで行われたジャズ祭「ジャズ・デイズ」(ウラジーミル・レジツキイ主催)の模様をVTRで紹介する予定。アメリカともヨーロッパとも日本とも違う独自の世界を持つロシアのジャズ、その多様性を滅多に見れない映像で体感できるまたとない機会だ。

「ロシア・ジャズ再考 COOLファンタスチカ & HOTロマンチカ」
ナビゲーター:鈴木正美(新潟大学教授/ロシア・ジャズ研究家)
レギュラーゲスト: 岡島豊樹(東欧~スラヴ音楽リサーチ・センター)
4/22(日)14:00開場 14:30スタート 17:30終了予定
料金:¥1980(1ドリンク付)
場所:アップリンク・ファクトリー 
http://www.uplink.co.jp/factory/

c0098087_23492143.jpgまた、ロシア文学者である鈴木正美の著書『どこにもない言葉を求めて』(高志書院)も少し前に刊行された。こちらは現代ロシア詩についての本だが、とてもわかりやすく入門書として最適。ロシア人の言語表現における感性は、その音楽にも通じるものだけに、ロシア音楽ファンには一読の価値あり。
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by kazuey1113 | 2007-04-18 23:51 | informaion
卓越した技術、そして類い希な知性と感性、独自のアプローチで即興音楽に自然の響きや環境を取り込みつつ奥深い世界を聴かせるサックスの異才ミッシェル・ドネダが5月に再び来日、度々国内外で共にツアーを行っている齋藤徹らと共演する。現在決まっているツアー・スケジュールは下記のとおり。

5月15日(火) 田園調布「いずるば」 東京都大田区田園調布38-8
          「寄稿~A Port of Call~」
          共演:齋藤徹・岩下徹・小林裕児
          予約・問い合わせ: 090-6019-1181(諏訪)
                       yoko.suwa@ka.baynet.ne.jp 
5月17日(木) planB 2つのデュオ 今井和雄、澤井一恵それぞれとのデュオ
5月18日(金) 北とぴあ さくらホール 
          第44回 旗野創作舞踊公演
          旗野由記子 堀登(ソロダンス)+群舞「EDDY CURRENT」、
          旗野恵美「かけら」の音楽 
          共演:齋藤徹(b) 
          時間:19:00(18:30開場) 料金:前売4000円当日4200円
          問い合わせ:旗野由記子 電話・FAX:03-3900-7794
          旗野恵美舞踊研究所 電話・FAX:03-3420-4953
5月19日(土) 広島 安芸区民文化センター ドネダ・ソロ
          時間: 19:30(開場18:15) 
          料金:前売3000円 当日4000円 
              学生:前売1000円 当日2000円
          予約・問い合わせ(黒田):286-7555 
                           kuroda@h-bunka.ac.jp
5月20日(日) 豊橋 ほっとい亭 共演:齋藤徹(b)
          時間:15:30(開場15:00) 料金:3000円 
          主催・問い合わせ先:石川良雄・恵子 0563-54-8931
5月21日(月) 上尾 バーバー富士 ドネダ・ソロ
           時間:19:30(開場:18:30)
           料金:5000円 (終演後参加費無料の交流会があります)
           予約・問い合わせ(松本):048-772-2175 
                           barberfuji@jcom.home.ne.jp
5月22日(火) なってるハウス 共演:齋藤徹とデュオ 
          「春の旅2003」ヴィデオの試写あり
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by kazuey1113 | 2007-04-18 21:35 | informaion
ポール・ニルセン・ラヴの新宿ピットイン2daysの初日(3月30日)は、ノルウェーのコングスベルグ・ジャズ・フェスティヴァルで初共演したペーター・ブロッツマンと八木美知依とのトリオの再演。びっくりゲストとして登場したのは坂田明、絶妙なゲストの人選である。ブロッツマンの衰えぬパワーにも圧倒されたが、それに引けを取らぬプレイをした坂田明の健在ぶりが嬉かった。スタイルとしては決して新しくないが、久しぶりにホットなフリージャズを堪能した一夜。
Live report @jazztokyoはコチラ>>>
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by kazuey1113 | 2007-04-16 21:06 | column