横井一江のブログ "jazz,improvised music...and beyond"


by kazuey1113

カテゴリ:new release( 82 )

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現代音楽のスペシャリスト矢沢朋子がピアノ・ソロ『Absolute-MIX』をリリース!
収録曲はヨハン・ヨハンソンの書き下ろしたピアノとエレクトロニクスのための《Untitled》、矢沢一人でピアノを多重録音したレディオヘッドの《Kid A》、現代音楽の金字塔リゲティやノーノ、そしてミニマルミュージック、平石博一、チック・コリアまで。自身のプロジェクト名「Absolute-MIX(=完全混淆)」そのものの世界だ!
以前に書いたコンサート・レポート@jazztokyoコチラ>>>

ちなみに、ポスト・クラシカルの第一人者ヨハンソンは、『博士と彼女のセオリー』でゴールデングローブ賞作曲賞を受賞、今年公開される『ボーダーライン』でもアカデミー賞にノミネートされ、映画音楽界でも時の人。今年のメールス・フェスティヴァルでは自身が撮影した映画を上映しながら演奏をするというプロジェクトも行う(コチラ>>>)。

録音も特筆すべきもので、ポストクラシカルの先鞭をつけるサラウンド・セッティングによるDSDとマルチトラックで録音した多空間な広がりをもつ最先端の音響。ハイレゾ(96khz / 24bit)版でも配信中。

5月14日(土)17時より、タワーレコード渋谷店7Fでミニライブ(無料)が予定されている。

ライナーノートでお手伝いさせていただきました~!
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by kazuey1113 | 2016-04-05 08:17 | new release
c0098087_7483858.jpg高瀬アキの最新作『My Ellington』(Intakt)のCD Reviewを遅ればせながらjazztokyoに書いた。コチラ>>>

ファッツを研究してエリントンにつなげた。バンドではなくソロピアノでエリントン集とは!一音で高瀬アキとわかる。音に意志があるのだよね。耳に美味しい一枚。
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by kazuey1113 | 2013-08-01 08:01 | new release
c0098087_8355563.jpg副島輝人著『世界フリージャズ記』(青土社)のブック・レビューをjazztokyoに書いた。
コチラ>>>

読みながら「前衛」を追いかけた著者の冒険譚だな、と思った。音盤評論やコンサート/ライブ評は多いし、私小説的な読み物もまた多いが、時代の流れが見え、かつその時期の音楽の動向が浮き上がってくるこのような本は滅多にない。
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by kazuey1113 | 2013-07-02 08:13 | new release
c0098087_2072566.jpg『坂田明/平家物語 実況録音映像編』(DVD, douubtmusic)のレビューをjazztokyoに書いた。コチラ>>>

DVD(実況録音映像編)は多重録音のCDと同じ素材だが、パフォーマンスとしては別物、また違った面白さがある。

ところで、一昨年CDを買って帰った日に一度聞き、後日もう一度聴き直そうとCDプレイヤーに載せて、パソコンをいじっていた時にtwitterのタイムラインに流れていたのは、カダフィ大佐の拘束・殺害のニュースだった。そして、今年1月リリースされたDVDを見終わって、ふとiPhoneでtwitterのタイムラインを見た時は、アルジェリア軍の人質救出作戦でニュースが錯綜していたのだ。前者が《入道逝去》ならば、後者はさながら《坂落》か…。坂田明翻案の『平家物語』を観・聴いていると北アフリカで何事か起こる???そういう時代のなのだろう。単なる偶然にせよ、「あはれ」なり。
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by kazuey1113 | 2013-04-01 20:28 | new release
少し前になるが、ライナーノートを相次いで書いた。全く異なる内容の作品なのだか、その紹介を少し。

c0098087_7103871.jpgエマージュ』(Studio Songs)は、富樫雅彦が演奏活動を断念する前年(2001年)に、佐藤允彦とエッグ・ファームで行ったデュオ・コンサートのライヴ録音。佐藤のファースト・アルバムであり、二人の初共演盤である『パラジウム』(1969年録音)に収録されていたタイトル曲《パラジウム》と《スクローリン》に挟まれるように富樫作品が演奏されていたので、その2曲を聞きくらべることに。ジャズという語法の中で最大限の表現をしていた1969年録音と、その縛りから脱却して自由にイマジネーションを広げながら空間構築している2001年録音に、二人の音楽家が辿った軌跡と時代の変化を感じた。富樫・佐藤デュオのような即興性の高い演奏はライヴにその真価が表れる。小ホールながらも音響のよいエッグファームでのライヴ録音がCD化されたことは嬉しい。

c0098087_7105564.jpg現代音楽のスペシャリスト、矢沢朋子の最新録音『仏蘭西幻想奇譚』(Geisha Farm)は、幻想的・神秘的傾向を持った世紀末芸術をテーマとして取り上げたコンセプト・アルバム。アルヴォ・ペルトの宗教的で静かな《アリーナのための》から始まり、一ひねりある選曲でサティ、ドビュッシー、スクリャービンなどの作品を取り上げている。ラヴェルの「夜のガスパール」も《絞首台》のみを取り上げ、その後にトリスタン・ミュライユの《マンドラゴール》(矢沢が委嘱、世界初演)を聴かせるという絶妙のプログラミング。彼女の演奏を聴きながら、すごく上手いジャズ・ピアニストがスクリャービンなどを弾いているような心持ちになった。矢沢はクラシックの演奏家にしては類希なリズム感、そしてグルーヴ感をもつピアニストだからだろう。
また、録音のマイク・セッティングなどに工夫を凝らし、曲によってはポストプロダクションを行っているが、レディオヘッドの《Kid A》を自らアレンジして演奏したり、テクノが好きという矢沢の録音に対する感性が、そこによく表れている。パッケージ・デザインも凝っているので、ダウンロード配信にはないモノとしてのCDを手に取る喜びがあると思う。

追)レコ発記念ミニライブ&サイン会
日時:2012年 11月9日(金) 19:00開演
会場:タワーレコード渋谷店 7F
問い合わせ:タワーレコード渋谷店 Tel: 03- 3496 – 3661

矢沢朋子インタビュー @jazztokyoコチラ>>>
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by kazuey1113 | 2012-10-03 08:24 | new release
c0098087_1192128.jpgイレーネ・シュヴァイツァーの古稀を記念して昨年(2011年)行われたコンサートのライヴ盤『IRENE SCHWEIZER /TO WHOM IT MAY CONCERN』(Intakt)のCD Reviewをjazztokyoに書いた。
コチラ>>>

このCDは彼女のピアニスト人生が凝縮されたアルバムといっていい。絶妙なプログラミングで、珍しくモンクやダラー・ブランドなどの曲も取り上げている。個人的には、私の好きなカーラ・ブレイの曲《アイダ・ルピノ》を演奏していたのが嬉しかった。とはいえ、シュヴァイツァーの本懐はやはり即興演奏にある。
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by kazuey1113 | 2012-02-11 11:25 | new release

このCD2011年

このCD2011年@jazztokyoがアップされている。

昨年前半は個人的に忙しかったのに加え、大震災のショックもあってか、正直なところニュー・リリースを追いかける余裕がなかった。夏場は例年のようにバテていたので、今年後半の数ヶ月の間にアンテナに引っかかってきたCDということだろうか。

このCD国内編
坂田明/平家物語』(doubtmusic)
コメントはコチラ>>>

このCD海外編
『FMP Im Ruckblick - In Retrospect』(FMP)
コメントはコチラ>>>
*こちらは企画という観点から選んだ。ブックレットに若き日のピナ・バウシュの写真もあったことからもFMPとブッパータールの芸術シーンとの繋がりも伺える。FMPではおなじみの面々のショットに加えて年末に逝ったサム・リヴァースの写真も。
(蛇足ながら、このCD+Bookを購入し、送られてきた際に、大きな段ボール箱に入っていたせいか国際郵便課税通知書がついてきて、消費税を払うことに。個人のお買い物では初体験。ただでさえ送料込みだと高いお買い物だったのに…。ブツブツ)

番外編として、一時期仕事をしながらよく聴いていたのはアミナ・アラウイの新譜『Amina Alaoui / Arco Iris』(ECM)だった。
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by kazuey1113 | 2012-01-04 13:42 | new release
c0098087_210253.jpgエラ・フィッツジェラルドの1964年来日公演の音源(未発表)が『Ella in Japan』としてCD化された。1964年はそれまでになくジャズ・ミュージシャンの来日公演が多かった年で、その幕開けがエラだった。バックはロイ・エルドリッジ・カルテットでピアノはトミー・フラナガン。日本語も交えるというサービス精神も。この時期のエラは全盛期、いわずもがなだがスキャットも抜群、やっぱりいい!聴かせてくれる!

c0098087_2105712.jpgアルゼンチンの歌手リヒア・ピロを知ったのは、『ソー・イン・ラヴ~ジャズ・アンド・スタンダーズ』というアルバムにおいてだった。(以前に書いたブログ記事はコチラ>>>
その彼女の新譜『奇妙な果実』がリリースされた。プレイヤーにCDをのせたら、まず《グッドバイ・ポーク・パイ・ハット》が流れてきたので嬉しくなった。好きな曲なのである。チャールス・ミンガスがレスター・ヤングの訃報を聞いて書いたというよく知られた曲だが、彼女の唄にレスター・ヤングのスムースなレガート奏法で吹くサックス、その漂うような寛いだ感覚を思い起こしていた。表題曲《奇妙な果実》はとても難しい曲だが、ビリー・ホリディの歌い方を踏襲しつつも淡々と、だが丁寧に歌っていることで、詩の世界を浮かび上がらせているのには好感。他に《朝日のようにさわやかに》やポリスのヒット曲《孤独のメッセージ》あるいは《チェンジ・ザ・ワールド》、また《ノーチェ・デ・ロンダ》などを唄っている。

確かにそのとおりの選曲とはいえ、国内盤では原盤にはないサブタイトル「ジャズ・アンド・スタンダース」をつけているのは、いかがなものかと。どうも安っぽい感じがしてしまう。ジャケットも原盤と違って美人な彼女の写真を使用している。日本のボーカル・ファン向けということなのはわかるが…。(元のジャケットは彼女のサイトにある。コチラ>>>

歌手に対してはかなり好みがあって、音程がフラフラする歌い手だと船酔いしそうになるし、ベタベタしていたり、感情移入型の歌手は生理的に受け付けない。世のおじさま方と違って、美人であれば歌が下手でもそれが返って可愛くてよいとはならないのである。でも、リヒア・ピロの伸びやかな歌い方、僅かに紗のかかった声質は好きだ。天は二物を与えずというが、彼女の場合は別だとつくづく思う。(羨ましい…)
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by kazuey1113 | 2011-10-26 22:39 | new release

『坂田明/平家物語』

c0098087_2072760.jpg坂田明/平家物語』(doubtmusic)、このCDを買って帰った日に一度聴き、後日もう一度きちんと聴こうと思ってCDプレイヤーにのせて、それを聴きながらパソコンのtwitterのタイムラインを追っていた。こともあろうにカダフィ大佐が捕まった、負傷しているが生存、いや死んだ、という情報が錯綜している。なんという偶然。まさにその世界ではないか。しばらく呆然と音を聞いていた。

そんなことはさておき、坂田の語りのスゴミと墨汁を含んだ筆の描くモノクロームの世界を想起させるアルトとクラリネットの演奏には参った。古典は古典にあらず。現代を映す鏡でもある。秀作というよりは怪作、怪作というよりは快作。個人的な感想にすぎないが、時代がワープして、現実の姿が意図せずとも現れてくる。しかし、どうして今これがリリースされたのか。ちょっとコワくなった。と同時に、坂田明という音楽家のスゴさを知ったのである。
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by kazuey1113 | 2011-10-25 20:35 | new release

イケメン・ウード3兄弟

c0098087_2115272.jpg季節によって聴きたい音楽というのは随分と変わるものだと夏が訪れる度に思う。酷暑の東京の夏にはシュトックハウゼンは似合わないという具合に。夏至から秋分の日あたりまでは、ヨーロッパでも南、さらに中近東やマグレブあたりの音楽のほうが楽しめる。

そういう季節にCD Review(@jazztokyo)と言われたので、パレスチナ出身の兄弟ウード・トリオ『ル・トリオ・ジュブラン/アスファール~旅するかぎり』を取り上げた。
コチラ>>>

新譜というには数ヶ月経っていたので日本の基準ではそれほど「新しく」はないのだが、6月の拙著『アヴァンギャルド・ジャズ ヨーロッパ・フリーの軌跡』 出版記念イベントの客入りの時に長兄サミール・ジュブランのCD『Tamaas/Samir Joubran』をかけたということもあったので。

なぜフリーではなくそのような音盤をかけたのかというと、初めてベルリン・ジャズ祭に行った時に、ウード奏者をフィーチャーしたプロジェクトが3つ出ていて、日本とヨーロッパでは地政学的に中近東との距離感が違うなと実感したということと、メールス・ジャズ祭ではワールド・ミュージックの「これは!」というミュージシャンを観ることが出来たからである。彼らの存在を知ったのもメールスだった。フリーやコンテンポラリーなジャズの最前線だけではなくて、ワイドレンジで世界を見ていたブーカルト・へネンの慧眼には今もって感心させられる。
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by kazuey1113 | 2011-10-24 21:35 | new release