横井一江のブログ "jazz,improvised music...and beyond"


by kazuey1113

A Power Stronger Than Itself

c0098087_2214416.jpgジョージ・ルイスの労作、大作『A Power Stronger Than Itself: The AACM and American Experimental Music』(The University of Chicago Press)は、期待に違わぬ本だった。AACMなり、60年代以降のフリージャズ・前衛、あるいはシカゴのサウスサイドというローカルに興味のある人には一読の価値がある。パリでの活動、バーデン・バーデン・フリー・ジャズ・ミーティング、70年代以降もAACMミュージシャンを紹介したメールス・ジャズ祭などの記述等、彼らとヨーロッパのミュージシャンとの出会いやその関係性が書かれているのもルイスならでは。どこかで邦訳を出してほしい!

東京と違って快適な気候だった北海道でなにげにサクサクと書いてしまったのがそのブック・レビュー@jazztokyo。コチラ>>>

シカゴに学生として、ビジネスマンとして住んだことのある人はたいていサウスサイドというと眉をひそめ、嫌そうな顔をする。しかし、サウスサイドはジャズ、黒人音楽史にとっては重要なローカルだ。ニューオリンズから出てきたキング・オリバーやルイ・アームストロングが吹いていたのもサウス・サイドだった。我々が聞くことのできるオリバーやアームストロングの最も初期の録音もシカゴでのもの。都市としてのシカゴではなく、サウスサイドというローカルに着目してみると、また違った音楽と人との風景が見えてくるような気がする。
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by kazuey1113 | 2008-09-02 22:34 | column