横井一江のブログ "jazz,improvised music...and beyond"


by kazuey1113

藤井郷子&田村夏樹 New Release

c0098087_2113157.jpgc0098087_20583865.jpg藤井郷子と田村夏樹は、『Satoko Fujii Min-Yoh Ensemble/風神雷神』(VICTO)と『ダブルデュオ/クロスワードパズル』(LIBRA:7月25日発売)を相次いでリリース。
『風神雷神』は、藤井が日本の民謡を本質的なところで問い返し、現代の感性で捉え直した大変興味深い作品。ただし、伝統曲は最初と最後のトラックの2曲のみで、他は藤井のオリジナル。音楽形式としての民謡、或いは民謡の持つ音楽要素を援用することはありがちだが、その根幹にまで立ち入って再検証した上で、自身のサウンドとして表出させようと試みる音楽家は希だ。民謡のもつ独特の風合いと奥行きが、自在な表現の中からそのスピリットとともに立ち上がる。その開かれた世界は、民謡と対峙するココロのありかたゆえ。そのスタンスに共感を覚える。カナダのヴィクトリアヴィルでのフェスティヴァルで実現したプロジェクトだが、日本でも再演してほしい。
『クロスワードパズル』では、アンジェロ・フェルブルーヘン(tp)とミシャ・メンゲルベルク(p)、田村(tp)と藤井(p)の二つのデュオの共演。まさにタイトルそのものの世界で、果たしてどのような組み合わせで、誰がどの音を出しているのか、ただただ想像力逞しく聴くのみ。この組み合わせは、ダブル・ピアノとダブル・トランペットの共演とも言い換えることができる。2×2ならではの重層的な即興演奏は、思った以上に面白かった。ちなみに解答はどこにもクレジットされていない。果たして、私の予想は大当たりなのか大ハズレだったのか・・・

藤井と田村がアメリカから帰国し、活動の拠点を東京に移してもう10年になる。今秋、それを記念するコンサートも企画しているというからこちらも楽しみだ。
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by kazuey1113 | 2007-07-17 22:01 | new release