横井一江のブログ "jazz,improvised music...and beyond"


by kazuey1113

11月のベルリン

11月のベルリンというとジャズ祭。もう40年以上続いているヨーロッパでも最も歴史が長いジャズ祭のひとつベルリン・ジャズ祭と、同時期に開催される1968年に始まった即興音楽のフェスティバルTotal Music Meeting(TMM)が、いつの間にかヨーロッパにおける私の定点観測地のひとつになっていた。色々諸事情があって毎年必ずというわけにはいかないのだが、今年は出かけようと思う。

そのベルリンジャズ祭、今年のテーマは下記のとおり。
1)映画:ヨーロッパのジャズのドキュメンタリーや「映画+実演」など
2)ニューオリンズ:まだハリケーン・カトリーナの傷跡癒えぬニューオリンズ、彼の地のミュージシャンによる演奏だけではなくドキュメンタリー「New Orleans Music in Exile」 も上映
3)ジャズinアルペンランド:アルプスの国々、つまりスイスとオーストリアのジャズ

上記のテーマに基づくコンサート以外では、40周年を迎えるグローブ・ユニティ・オーケストラ(GUO)が再注目。そもそも《グローブ・ユニティ》は、ベルリンジャズ祭初代音楽監督故ヨアヒム・ベーレントがアレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハに委嘱し、出来上がった作品のタイトル。40年前にセンセーションを起こし、その後オーケストラの名前となった。活動していない時期もあったが、今世紀に入って再び演奏や録音を行っている。今回は、特に即興音楽シーンで近年非常に評価の高いベルリン在住のアクセル・ドゥナー、ルイ・スクラヴィスのバンドにも参加していたフランスはリヨンのトランペッター、ジャン・ルイ・カポッゾ、アメリカからは今は大学教授職のほうが忙しそうなジョージ・ルイスも参加。アレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハのGUO21世紀バージョンに私は期待している。そして、この機会に40年間のヨーロッパのジャズ、フリージャズ、即興音楽について改めて検証してみたいと思う。

他方のTMMだが、助成金がもらえなくなるなどさまざまな困難に面したが、ドイツ人らしい粘り強さで継続しているボスのヘルマ・シュライフには本当に頭が下がる。今年は内橋和久がダクソフォンの考案者ハンス・ライヒェルとダクソフォンとギターによるデュオで出演。プログラムから大きなトピックスは読めないが、ヨーロッパにおける即興音楽の層の厚さを感じる。個人的には久しぶりに見るサインホ・ナムチャラクのステージをとても楽しみにしている。

それぞれのプログラム等はこちら:
ベルリン・ジャズ祭
Total Music Meeting

諸々の事情からベルリンに滞在できるのは3日間だけだが、帰ってきてからレポートをアップする予定。

蛇足になるが、フェスティバル目的ならともかく、観光でドイツに行くのなら正直言って11月はお薦めできない。空はどんよりと曇っていて陰鬱、11月のベルリンではお日さまを見ることは幸運の持ち主でない限り不可能。観光旅行なら初夏が一番、この時期に訪れるとドイツが好きになれる、と思う。
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by kazuey1113 | 2006-10-25 21:26 | informaion