横井一江のブログ "jazz,improvised music...and beyond"


by kazuey1113

京都賞、NEAジャズマスターズ

先月(6月)下旬、京都賞、NEAジャズマスターズの受賞者の発表が相次いであった。

2014年度のNEA(全米芸術基金)ジャズ・マスターズの受賞者は6月27日に発表された。リチャード・デイヴィス、キース・ジャレット、アンソニー・ブラクストン、そしてジャズ教則本・教材で知られる教育者・出版社のジェイミー・エーバーソルドの4名。25,000ドルが授与され、2014年1月13日にジャズ・アット・リンカーン・センターで授賞式とコンサートが開催される。それはネット中継も行われる予定。

NEAの発表はコチラ>>>

ジャズ・マスターはNEAによる生涯功労賞で存命の人物にのみ授与される。過去の受賞者には、第一回のサン・ラ、ディジー・ガレスピー、ロイ・エルドリッジに始まって錚々たる名前が並ぶが、音楽家だけではなく評論家のナット・ヘントフ、プロデューサーのオリン・キープニュースやレコーディング・エンジニアのルディ・ヴァン・ゲルターにも与えられている。日本人では穐吉敏子が2007年に受賞。詳しくはコチラ>>>

それに先立つ6月21日に京都賞の発表があった。京都賞は稲森財団が先端技術部門、基礎科学部門、思想・芸術部門の各部門で「科学や文明の発展、また人類の精神的深化・高揚に著しく貢献した方々の功績を讃え」て授与する国際賞。各部門とも4つの対象分野があるため、それぞれの対象分野が回ってくるのは4年に一度である。(詳しくは財団のサイトを>>>) 今年の思想・芸術部門の対象分野は音楽で、セシル・テイラーが選ばれた。音楽分野で西洋芸術音楽以外のジャンルから受賞者が選ばれるのは初めてである。(高松宮殿下記念世界文化賞では過去にオスカー・ピーターソン、オーネット・コールマンが受賞している) ディプロマ、京都賞メダル(20K)および賞金5,000万円が授与される。11月京都で授賞式および記念講演会等が京都賞ウィークとして行われる。一般向けプログラムもある。

稲森財団の発表はコチラ>>>

過去の音楽部門の受賞者は第一回のオリヴィエ・メシアンに始まり、ジョン・ケージなど(アーノンクールを除いて)西洋芸術音楽の錚々たる作曲家の名前が並ぶ。彼らは50年代60年代の「前衛」である。西洋芸術音楽にのみ「前衛」がいたわけではない。とするならば、生涯功労賞的な意味合いを持つ京都賞の受賞者のなかにセシル・テイラーの名前が入るのはとてもしっくりする。ジャズならば彼しかいないだろう。作曲家リュック・フェラーリが制作した「大いなるリハーサル」シリーズでは、ヴァレーズ、メシア ン、シェルヘン、シュトックハウゼンに加えて、セシル・テイラーを撮った作品があったように。

84歳になるセシル・テイラーだが、夏にはスイスのヴィリザウ・ジャズ・フェスティヴァルなどに出演するようだ。11月に元気な姿を日本で見ることができることを心から願っている。
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by kazuey1113 | 2013-07-09 08:20 | informaion