横井一江のブログ "jazz,improvised music...and beyond"


by kazuey1113

エラ・フィッツジェラルド、リヒア・ピロ

c0098087_210253.jpgエラ・フィッツジェラルドの1964年来日公演の音源(未発表)が『Ella in Japan』としてCD化された。1964年はそれまでになくジャズ・ミュージシャンの来日公演が多かった年で、その幕開けがエラだった。バックはロイ・エルドリッジ・カルテットでピアノはトミー・フラナガン。日本語も交えるというサービス精神も。この時期のエラは全盛期、いわずもがなだがスキャットも抜群、やっぱりいい!聴かせてくれる!

c0098087_2105712.jpgアルゼンチンの歌手リヒア・ピロを知ったのは、『ソー・イン・ラヴ~ジャズ・アンド・スタンダーズ』というアルバムにおいてだった。(以前に書いたブログ記事はコチラ>>>
その彼女の新譜『奇妙な果実』がリリースされた。プレイヤーにCDをのせたら、まず《グッドバイ・ポーク・パイ・ハット》が流れてきたので嬉しくなった。好きな曲なのである。チャールス・ミンガスがレスター・ヤングの訃報を聞いて書いたというよく知られた曲だが、彼女の唄にレスター・ヤングのスムースなレガート奏法で吹くサックス、その漂うような寛いだ感覚を思い起こしていた。表題曲《奇妙な果実》はとても難しい曲だが、ビリー・ホリディの歌い方を踏襲しつつも淡々と、だが丁寧に歌っていることで、詩の世界を浮かび上がらせているのには好感。他に《朝日のようにさわやかに》やポリスのヒット曲《孤独のメッセージ》あるいは《チェンジ・ザ・ワールド》、また《ノーチェ・デ・ロンダ》などを唄っている。

確かにそのとおりの選曲とはいえ、国内盤では原盤にはないサブタイトル「ジャズ・アンド・スタンダース」をつけているのは、いかがなものかと。どうも安っぽい感じがしてしまう。ジャケットも原盤と違って美人な彼女の写真を使用している。日本のボーカル・ファン向けということなのはわかるが…。(元のジャケットは彼女のサイトにある。コチラ>>>

歌手に対してはかなり好みがあって、音程がフラフラする歌い手だと船酔いしそうになるし、ベタベタしていたり、感情移入型の歌手は生理的に受け付けない。世のおじさま方と違って、美人であれば歌が下手でもそれが返って可愛くてよいとはならないのである。でも、リヒア・ピロの伸びやかな歌い方、僅かに紗のかかった声質は好きだ。天は二物を与えずというが、彼女の場合は別だとつくづく思う。(羨ましい…)
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by kazuey1113 | 2011-10-26 22:39 | new release