2009年 11月 14日
星野秋男『ヨーロッパ・ジャズ黄金時代』 |
音楽研究家、星野秋男氏の著書『ヨーロッパ・ジャズ黄金時代』(青土社)が刊行された。ヨーロッパ・ジャズに造詣が深い星野氏ならではの著作。各国、地域の総論とミュージシャン紹介、ディスクガイドからなるが、彼が「黄金時代」と考えている60年代から70年代初頭が中心となっている。エヴァン・パーカーもルイ・スクラヴィスも出てこないのはそれゆえ。
だが、この二十数年間ヨーロッパをほぼ毎年訪れている私には、70年代半ばからヨーロッパ・ジャズが低迷し、表面上活気を取り戻したのは90年頃からという説などには異論がある。きっと見ているところ、ジャズという括りの捉え方が違うのだろう。おそらくヨーロッパの人がこの本を読んでもさまざまな異論が出るに違いない。本書に書かれているのは日本から見たヨーロッパ・ジャズであり、それは私自身が書くことも含めて日本に住んでいる以上逃れられないことなのだから。そのようなことはさておき、ヨーロッパ・ジャズについての変遷がわかるまとまった本が出たことはよいことであり、まずはそれを嬉しく思いたい。
440枚のディスク紹介は自ら書いているように星野氏の好みが反映されているものの、よい盤が紹介されているので本文と併せて読むとクロノジカルに60年代から70年代初頭のヨーロッパ・ジャズを具体的に知ることができる。かつてはレア盤だったが、今ではCD化されているものも多いだけに、私もこのディスク・ガイドは大いに活用させてもらう所存。欲を言えば個々のミュージシャン紹介をもっとアップデートしてほしかった。なぜならまだまだ現役バリバリの人も少なくないし、また日本語できちんと紹介されていない人も多いからである。尤もそれをやるとキリがないので、致し方ないが…。
兎にも角にも70年代からよくもまあ沢山のヨーロッパのLPを蒐集したものだと感心した。紙が箱に入っていて製本されていないが膨大な情報が掲載されたウォルター・ブルーニングのディスコグラフィを日本で二番目に購入したのが星野氏だったということにも敬服。ファックスもない時代、貿易会社にはテレックスはあったものの一般的に海外とのやりとりがまだまだ手紙で、輸入手続きも今より面倒だった時代を知るだけに、その熱意にはただただ頭が下がるのみである。
だが、この二十数年間ヨーロッパをほぼ毎年訪れている私には、70年代半ばからヨーロッパ・ジャズが低迷し、表面上活気を取り戻したのは90年頃からという説などには異論がある。きっと見ているところ、ジャズという括りの捉え方が違うのだろう。おそらくヨーロッパの人がこの本を読んでもさまざまな異論が出るに違いない。本書に書かれているのは日本から見たヨーロッパ・ジャズであり、それは私自身が書くことも含めて日本に住んでいる以上逃れられないことなのだから。そのようなことはさておき、ヨーロッパ・ジャズについての変遷がわかるまとまった本が出たことはよいことであり、まずはそれを嬉しく思いたい。
440枚のディスク紹介は自ら書いているように星野氏の好みが反映されているものの、よい盤が紹介されているので本文と併せて読むとクロノジカルに60年代から70年代初頭のヨーロッパ・ジャズを具体的に知ることができる。かつてはレア盤だったが、今ではCD化されているものも多いだけに、私もこのディスク・ガイドは大いに活用させてもらう所存。欲を言えば個々のミュージシャン紹介をもっとアップデートしてほしかった。なぜならまだまだ現役バリバリの人も少なくないし、また日本語できちんと紹介されていない人も多いからである。尤もそれをやるとキリがないので、致し方ないが…。
兎にも角にも70年代からよくもまあ沢山のヨーロッパのLPを蒐集したものだと感心した。紙が箱に入っていて製本されていないが膨大な情報が掲載されたウォルター・ブルーニングのディスコグラフィを日本で二番目に購入したのが星野氏だったということにも敬服。ファックスもない時代、貿易会社にはテレックスはあったものの一般的に海外とのやりとりがまだまだ手紙で、輸入手続きも今より面倒だった時代を知るだけに、その熱意にはただただ頭が下がるのみである。
by kazuey1113
| 2009-11-14 20:14
| new release